【短編集】悪魔というのは種族だけ。【ブラックチャンネル】

徹夜して倒れてみた ページ9

Aside

▷▶︎▷

ここはブラックの家。つまり魔界。
目の前にあるのは大量の課題。
それは、テスト前の学生に課せられる大量のプリントや冊子などを指す。

「はぁ…やっと…やっと課題から解放されたぁ！」

私は今、それから解放された。その嬉しさは、背中から羽が生えているのかと思うくらいだ。

(全部…終わらしたよね…？)

私はパラパラとページをめくり、大量の課題達に目を通す。明日がテストという訳では無いし、何なら明日は休日だ。終わらせていなくても大した支障はないが、やると決めたからには全て終わらしておきたかった。

「終わってる…良かった…」

確認すると全て終わらしており、その安心感で脱力し、床に座り込んだ。横に目をやると、すやすやと眠るブラックにカメラちゃん。今日は早く編集が終わったらしく、久しぶりにベッドで寝ている。

『A、無理せずに早く寝てくださいね〜。では、オレちゃんは先に寝ます…。ふぁ〜、おやすみなさぁ〜い…』

眠る前にそう言った彼の台詞を思い出す。
無理はしていない…はず…。きっと、うん。

普段は人をテーマにした鬼ヤバな動画を撮ってばかりの彼も、寝顔はとても可愛い。ベッドの近くまで近づき、すやすやと眠るブラックの顔を眺めては、髪をそっと触った。まるでシャンプーのCMに出てきそうなほどサラサラとしていて、ちょっと羨ましくなった。

「いいなぁ…髪の毛サラサラすぎるよブラック…。ふふっ…」

その一方で、どれだけ下に梳かしても上にはね返る彼の強すぎるくせ毛には笑ってしまった。

(私もそろそろ寝ないとなぁ…)

そう思って立とうとするが、足が思うように動かない。その内に視界も霞んでゆき、私はそのまま倒れてしまった────。

○○

ブラックside

▷▶︎▷

ふと、体が重く感じて目が覚めた。何が乗っかっているのかと思えば、Aだった。まさかと思い、彼女の勉強机を見てみると、散らかりっぱなしの冊子などや眩しい照明が目に入る。

(無理しないでと言ったんですけどねぇ…)

頑張る事は悪事ではないため、否定しない。徹夜する事はオレちゃんもしているため、否定できない。だが、自分の限界以上のことをすることはさせたく無かった。

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