構いたくなる変な奴

寝ていたい ページ4

執務室の来客用のソファーでゴロゴロとしていた。


ノック音がして、声がかかる。
『今日は気分じゃないから厭。明日で』

そうだ。今日はやる気がない。
全く。

太宰君ですら引くくらいしてない。


朝からこの調子だ。
何なら夜までこの予定だ。



大体、私の部下は私の事を怖がるか、理解している。

だから、こんな日があると判ってもらえるのだが...
今回は違った。


勝手に入ってきて私の頭に拳骨を落とした犯人。


「仕事くれぇちゃんとしろ!!」



言わずもがな、中原君である。


森さんは何を思ったのか、私と中原君に2人組(コンビ)を組ませた。
其れも二人とも、太宰君との二人組とは別で。




異能の相性は最悪。合わないにも程がある。

私は本来殲滅任務専門と言っても過言ではない。
空間が続いていれば攻撃範囲に入ってしまうのだから。


中原君の最終形態以上に、太宰君の異能は私の異能に必要不可欠なのだ。




言ってしまえば太宰君がいなければ地球が終わる。
もう真っ二つだ。「ぱっかーん」してしまう。


・・・というのに何故。




こんな仕事中毒者(ワーカーホリック)なんかと私を相棒にしたんですか森さん...



相手が太宰君なら一緒にサボれたというのに..。

ちなみに、私にサボり、という選択肢を与えたのは太宰君だ。
それを森さんの前で言ったらなんかうなだれてた。

ほっといて遊んだのがいい思い出だ。







『あーあー、今からやろうと思ってたのになぁー急かされてやる気なくしたー』

「青鯖みてぇな事言ってんじゃねえよ！！」


青鯖.....？


..嗚呼、太宰君の事か。
そりゃ似るさ。太宰君と森さんの元で育ったんだ。

あの二人の敵への叩き方は常に見てきた。
だから、あの二人が言いたい事や攻撃方法も直ぐに判る。



『....💤』

「寝んな!!寝てんじゃねェ!!起きろ!!手前!!」
躰を揺すられるが、そんなの徹夜を重ねた私の前では車の心地良い揺れにも等しい。



ついにうつぶせだったのがひっくり返され、暗くしていても眩しすぎる光が目に入ってきて眉を歪めた。
ピタッ、その言葉がぴったりな程、怒鳴り声と揺すられるのがいきなり止められる。





「手前..その隈.. ......」


重い瞼を微かに開くと、絶句したような中原君。



『何、もう諦めたの？』

拳骨と眠りを邪魔された恨みがあるのだ。
こんな時でも、煽るのを忘れない。


「何徹目だ..？」
そんなの聴こえていない様に、彼は聞いてきた。


『よん。』

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