旅行。3 ページ21
「…おい、其処段差だ。」
『はい』
ハイヒールでも無いのにエスコートするように出された幹部の手に手のひらを乗せる。
「んじゃ行くぞ。」
『え、手は…』
私は小声で呟いた。
「ン?」というように振り返った幹部。
乗せられた手をガン見する幹部としばしの沈黙。
もしかしたら私が未熟なだけで遊園地に来た男女は恋人関係問わず手を繋がなければいけない、とかの
と私の顔色が悪くなって来た今日この頃。
幹部は
「わっ、悪ィ…!」
ブワッと羞恥心が上がって来たかのように私と距離を取りながら手を離していった。
……つられるんですが。
私は密かにため息をつきながらお互いの赤い顔を見ないようにジェットコースターを薦めた。
「…手前、こういうの得意なのか?」
『?ええ、勿論。首領直属なのでね。中々に死線を潜らされ…ンンッ、潜って来ましたよ。』
「ヘェ。そりゃ大変、うおっ…あー、一寸早いスピードだな。」
『否、此処のジェットコースターはニホン一早い事で有名なのですが???』
「そうかよ、まァ俺も異能の関係で空とか飛んでっかんなぁ」
『急にメルヘンワードですねウケる。』
「人の異能にメルヘンとか言うんじゃねェ。」
上記、全て時速160キロの走行中ジェットコースターの中でされた現ポートマフィア幹部と首領直属準幹部の会話である。
「今度は如何する?」
『…じゃァアレに。』
私は目に入ったミキーちゃんのログハウスを指差した。
「……子供ばっかじゃねェか。」
『ほら幹部!見てください!』
↑はしゃぐ側
「?」入口近くに立っていた幹部は不思議そうな顔をして、私の指差すオーブンの中が見えるように隣にしゃがみ込んで来る。
「お、すげぇな。」
膨らむ3段ケーキを見ながらフッと幹部は頬を緩める。
『この香水も匂いがするらしいんですよ!』
「ヘェ…、…石鹸みてぇな匂いだな。」
『私も良いです?』
私がしゃがんだ時に「ちょっ…」という幹部の声が聞こえ、目を向けると目と鼻の先にあった幹部の綺麗な顔面。
『……あ、い…いにおいですね?』
言うだけ言って私は何も無かったかのように立ち上がった。
「なァ、何であんなに構造知ってたンだ?」
『え?』と返すと、「ほら、ミキーのマークとかよ。周りは知らない様子だったじゃねェか。」
『来る時に携帯で調べたんですよ。知ってた方が楽しいので』
「…そうかよ」
何だか嬉しそうな背中だった。
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暁月臨(プロフ) - はわわわわわわわわわわわわ、、、、、!!好き過ぎます、、、!l更新頑張ってください!!! (7月15日 3時) (レス) @page26 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 駄作上手さん» 謝らないでください!図々しくてごめんなさい!他の投稿も頑張って下さい! (6月11日 20時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手(プロフ) - 落蕾さん» 返信遅れてすみません。申し訳ありませんが、今は他に書きかけも書きたいものもあるのですぐに出す予定はありません…ごめんなさい (6月11日 8時) (レス) id: eb19c5f4a9 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - めっちゃコメントしてごめんなさい。続編出しませんか?めちゃくちゃ読みたいです (6月5日 23時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - メルヘンワード、ツボに入った (6月5日 23時) (レス) @page21 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄作上手 | 作成日時:2023年1月22日 17時