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そんな日々も長くは続かなかった。
『ねえ、やつがれくん……あの人たちは誰?』
ガシャンッ と嫌な音が聞こえた。
そこには複数の大人達がいて。
各々の手には銃が、火を噴いていた。
耳を裂くような轟音に耳を塞ぎながら しゃがみ込む。
ふと目の前を見ると、仲間たちが何人も倒れていた。
恐怖に満ちた表情を張り付かせたままで。
「 逃 げ ろ ! ! A 、 銀 ッ ! ! ! 」
その声に、覚悟を決めて銀ちゃんの手を取った。
__________
_____
それから数時間。
私たちは、ずっとずっと走り続けて 追手から必死になって逃げていた。
追手の人数は……二、三人か。
足音が近づいてくる度に、隠れられる場所を探す。
時には自らの異能を使うこともあった。
私が自分以外を隠せると知ったのは、この時だった。
しかし、この逃亡劇も限界を迎えることになる。
背後から 嫌な音が聴こえた。
その正体は、私たちに向けられた銃口。
__________ 見つかった。
複数の大人達が私たちを取り囲む。
「 情報を聞かれた のは異能力者の方だ」
「影の仔を先に始末しろ、
所詮は子供だから心配ないだろう」
そうだよ。
私は所詮、子供だ。
取引の情報を聞いてしまったがために 皆を不幸に陥れた、役立たずな子。
だから、だからこそ、銀ちゃんだけは助けたかった。
『やつがれくんに会ったら“ごめんなさい”って伝えてくれるかな』
銀ちゃんは、まだ助かる。
その一言で銀ちゃんは全てを察したらしい。
走っていく彼女の姿が消えた。
銃口が、今度こそ私に向けられる。
_________嫌な音が聞こえた。
骨が軋むくらいに大きな衝撃がした。
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二つ結びの人(プロフ) - こんばんは。すっごく面白いです!!!!!!応援してます!!! (2018年11月20日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はたゆり@苺のシリアル。 | 作成日時:2018年8月19日 19時