続編 “死にたがり幹部様”と“殺し屋少女”の奮闘記 (ページ3)

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＊ページ3

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とある夢を見ていた。

暗闇の中を太宰が歩いていって、その後を私が追いかけている。
しかし、何時まで経っても追いつける気配はなかった。

そのうち、段々と光の道が作られていってその上を歩いていく太宰。

私に背を向けて歩く彼に声を掛けようとして、
漸く“違和感に気付いた”

『……だ、ざっ＿＿＿＿＿!』

太宰の外套が砂色に染まっていく。

右目の包帯がスルスルとほどけていく。

そして、何より＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「一寸、太宰さん何処に行くんですか!?」

「まァた入水か、仕事は如何したこの唐変木がァ!!」

「今日も人気者だねェ、太宰。
……あ、ついでにその麩菓子取ってくんない?」

この麩菓子ですか?
美女と心中しに行ってくるよ！
あー、仕事は任せた！……と云いながらどんどん歩いていく太宰。

私が知らない人達に囲まれて笑う彼は、
少なくとも私の知らない太宰だ。

まあ、幾つか変わりない部分もあるんだけど...。

でも此の儘では太宰は私を置いて行ってしまう。
何故かそんな気がした。

かつて、私が殺そうとしていたはずの人物。

それなのに……いざ居なくなると思うと、たまらなく厭だった。

故に、必死の思いで声を絞り出した＿＿のだが。

『厭ッ……駄目、行かないで……!!』

最後に見えた彼の横顔は、
“此方側の世界”に居るよりも楽しそうに輝いていて＿＿＿＿＿...

『置いて行っちゃうなんて厭だよ!!太宰ッ!!』

そんなに其方側が楽しいのなら…いっそのこと私も……

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そこで悪夢は終わり、目が覚めた。

否、目を覚まされた…と云った方が正しいのかもしれない。

「私が君を置いていく？
………冗談は止めてくれ給え」

太宰が私を撫でる手によって。

『だ、ざ…い………』

やがて、私の頭を撫でていた手がゆっくりと動いていき
輪郭をなぞるようにして、私の頬をとらえた。

「私が居なくなるの、そんなに厭だったのかい？」

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