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真っ黒なオーラを纏って此方へ近づいてくる太宰。




「私から逃げようとした時点で、もう間違っているのだよ?」




…もう許してと云って、許してくれるとは思えない。

覚悟を決めて、太宰の方へと体を向けた。








「 君って云う子は………」







太宰との距離がゼロになる。







「……………本当に狡いよ」






唐突に手首を引っ張られ、抱き寄せられる。

途端に伝わってくる淡い温もり。





そして、頭を首元にうずめる。




「ご丁寧に包帯まで、ねェ……」




吐息が、私の首元にかかって……

自分でも分かるほど顔が熱くなる。




「これじゃあ“印”がつけられないじゃないか」





太宰の云う印………それって真逆、





「Aちゃん」




その思考を遮るように発せられた言葉。

それは思考を遮るどころか、私の行動を停止させるのには充分だった。









_____ 君のことが、好きだ _____











どのくらいの時間が経ったのだろう。
そう思える程、あの状態のままだったのだが…


矢張り、終わりというものは来るようで。





「太宰が、Aのプレゼント決まったって」



「意外と決まるの早かったのだね、エリスちゃん」



「……中年だったら もっと時間かかってた」




扉の外から、声が。

その声にハッと我に返る。




『ちょ、太宰、離れろッ!』



「ん、嫌だ、離さない」




しかし、太宰はこのまま離そうとしない。


このままじゃ首領とエリスが……………






ついに扉が開く。





「太宰君、それでプレゼントは決まっ……」


「……仲いいのね、あなた達」





青ざめる私に対して、太宰は喉でクツクツと笑っていた。



此奴、こうなることを先読みしていた………………?






『……太宰、お前と云う奴はァ!』





___私の声は、今日も空回っただけだった。

10000hit記念 おばけなんてないさ→←19.太宰……お願い、許して……



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はたゆり(プロフ) - 枝豆さん» ありがとうございます!応援、すごい励みになります(o^―^o) 続編頑張りますね!! (2018年8月16日 20時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)
はたゆり(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!そう云ってもらえるととても嬉しいです 最初から読むと結構夢主ちゃんの性格がかなり変わってたり………( '▽')アァ (2018年8月16日 20時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 続編、凄く楽しみです!応援しています。 (2018年8月16日 17時) (レス) id: df373c6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 続編、頑張って下さい楽しみ〜!!待ってる間に最初から読み直すという選択を……(*´ `) (2018年8月16日 17時) (レス) id: a81515e65f (このIDを非表示/違反報告)
はたゆり(プロフ) - コメントありがとうございます! エリスちゃんは個人的に好きなので、仲良くさせたかった(笑) 首領の性癖…バレないといいですね!← (2018年7月18日 6時) (レス) id: 80c016c5e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はたゆり@苺のシリアル。 | 作成日時:2018年7月4日 21時

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