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ー立花彩ー
「学校、行きたくないなあ・・・。」
私は、そう呟いた。
だって、学校は地獄みたいなんだもの。
私にたいする、針より鋭い視線がとまらない。
嫌だなあ・・・。
その視線を想像するだけで、身ぶるいしちゃう。
特に、クラスの女子ボスの「高畑ゆり」さんからは、私への悪口がたえないし。
皆、それに賛同するし。
でも、忍とマリンだけは、いつもそばにいてくれるもんね。
感謝しないと。
マリンなんて、この前、悪口を言われた私をかばって
「あいつに悪口言うんだったら、私に言えよっ!」
って言ってくれたし。
本当に、優しかった。
きっと、普段も、素直になれていないだけで、とってもいい子なんだよ。
忍は、あいかわらず、学校に来たり来なかったりをくり返している。
まあ、まだ、学校に完璧になじんでいない部分もあるんだろうしね。
今日も、たぶん、来てないんだろうなあ・・・。
すると、下から、ママの怒ったような声が聞こえた。
「彩、いつまで二階にいるの!?もう、学校に行く時間でしょ!さっさとしなさい!」
う・・・。
この声は、かなり怒ってる・・・。
どうしよう。
でも、早く行かないと、また怒られるしなあ。
ここは、意を決して行くしかない。
私は、そう決めて、そろそろと階段をおりる。
案の定、階段をおりた先には、ママが憤慨したようすで待っていた。
「ちょっと、あなたは、なんでそんなにノロノロしているの!?あなただけよ、こんな子は!」
そして、ママは、続けざまに言う。
「そういえば、今日は、テストがあるのよね!?いい?そこで90点はとらないと、今日の晩御飯は抜きですからね!」
え・・・。
そんなの無理だよ・・・。
だって、今日は、数学のテスト。
平均点にとどくかとどかないかっていう状況なのに。
はあ、どうしよう。
でも、ここで、ママに反論しても無駄だから、私はそそくさと家を出た。
玄関のドアをしめると、やっと、呼吸ができるような気がした。
私は、深く息を吸い、バクバクとはねる心臓の音をととのえる。
空を見あげると、私の気持ちとは裏腹に、雲一つない真っ青な空。
どこからか、すずめの鳴く声も聞こえる。
平和だなあ・・・。
そう感じた。
別に、羨ましいとは思わない。
羨んだところで、私の現実が変わるわけでもないからね。
そして、私は、自転車をこぎだす。
今日も、地獄のような一日が始まったと思いながら。
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あおい(プロフ) - 更新停止かー。 私に余裕があれば、引き継ぎとか、したかったな……。 (2020年6月1日 13時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
凛花 - 続き待ってます!頑張ってくださいね。応援しています! (2020年5月31日 17時) (レス) id: e8c0aaebea (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - あおいさん» わざわざ、コメントありがとうございます(*^^*)頑張りますね! (2020年5月30日 10時) (レス) id: d1a9390e45 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 先程は、コメント、ありがとうございます。 更新、頑張ってください! (2020年5月30日 10時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 清良さん» 同じですねー!しかも、応援してくださるなんて!ありがとうございます(*^^*) (2020年5月30日 10時) (レス) id: d1a9390e45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詩音 | 作成日時:2020年5月29日 19時