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そして、事件が起きたのは…それから10日ほどしてからだった
8月に入り、暑さは増した気がするある日のこと
普段、めったに怒らないヒロ君が機嫌悪そうに楽屋に入ってきた
挨拶もなしに私の傍に来ると
「A、話があるんだけど…」
と言った
私達は心配そうにこっちを見てる皆を置いて楽屋から出た
「ねぇ、A…昨日何してた？」
「昨日？
昨日は…ドラマの撮影が7時には終わったから…キャストやスタッフさんとご飯に行ったよ」
「そっか…
それも仕事のうちだから仕方ないね
…けど、そういう時は連絡ほしいなぁ」
「えっ…」
「忘れちゃった？
昨日は記念日だったんだけど…
普段、記念日なんて気にしないAがこの日だけは2人で過ごそうねって言ったから…」
そう言われても、私の中から失われた記憶は戻ってこない…
私はヒロ君をその場に残して楽屋に走った
楽屋のドアを開けると心配そうに私を見ているメンバーの方を見ることなくカバンの中に入ってるスケジュール帳を開いた
8月8月…と心の中で唱えながらページを開くと昨日のところに
『ヒロ君 デート 19：30にMARI』
と書いてあった
MARIは私たちの行きつけで、ご飯もおいしくてお酒も飲めるところ
ここは私とヒロ君以外、メンバーの誰にも教えてない2人の特別な場所
それを見ても昨日の約束は思い出せないけど…私が昔言った言葉は思い出せる
『付き合い始めた日は大切にしようね
喧嘩してもこの日だけは2人で過ごそうね』
と言った私の言葉を…
「A？」
昌君の心配そうな声が耳に届いた
私は少し泣きそうになりながら昌君の方を向いた
「…お前、まさか…」
「ヒロ君との約束…
昨日…2人で過ごすって約束してた…らしいの」
らしい…
どんなに証拠が残ってても私の記憶が戻ってくることはない
「A、最近多いよ」
ヒロ君がしゃがんでいる私と目線を合わせるようしてそういった
その目は怒ってるわけではなく、ただ優しい笑みを浮かべていた
それが今の私にはとても怖く感じた…
「俺達はいいけどもし先輩だったら失礼だよ
それに来ないのに次の日とか何の連絡もないし…待ってる側としてはすごく心配なんだよ」
ヒロ君の言葉は正論で私は何も返すことが出来なかった…
いっそのこと病気のことを話した方が楽かもしれない
だけど、私の中ではそれ以上にいくら病気が原因とはいえヒロ君との大切な約束を忘れてしまったことがショックでそれどころじゃなかった
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年5月23日 17時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
むったん(プロフ) - 更新ありがとうございます(^O^) (2018年1月9日 9時) (レス) id: 9d5833d7c8 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています♪ありがとうございます(≧∇≦) (2017年9月6日 20時) (携帯から) (レス) id: 5a1ad4410e (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - こんにちは！更新ありがとうございます(≧∇≦) (2017年8月21日 3時) (携帯から) (レス) id: 5a1ad4410e (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - 更新ありがとうございます♪催促してしまってごめんなさいf^_^; (2017年4月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 5a1ad4410e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおん x他2人 | 作成日時：2016年9月16日 21時
