友人4人と俺の話 (ページ16)

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第12話ページ16

強い武器が出るということはその先に強い敵も現れるというのがサバイバルホラーのお約束。
しかし本作でも登場していないこのイベントオリジナルのボスだったらしく、初回では攻略しきれずゲームオーバーとなってしまった。
時間の関係上クリアまでとはいかなかったが、4人とも大満足で撮影を終えた。

「いやー、楽しかった。また息子たちと来よ」
「ガッチさんがあんなはしゃいでんの久々に見た」
「楽しかったんだもーん、はしゃいじゃうよアレは」
「それよかさぁ、みんなこの後どうすんの？時間ない感じ？」

帰る為のタクシーを待っている間にレトルトが３人のほうを向く。
せっかく予定があって集まったんだし、このままご飯に行きたいらしい。
しかしAは携帯を確認した後、小さく息を吐いて首を振った。

『ごめん、だいぶ死んでるっぽいからこのまま様子見に行くわ』
「え、大丈夫なん？」
『まぁ、大丈夫でしょ。甘えたちゃんだしアイツ』
「なぁんだ甘えたちゃんかー、そんじゃ迷惑になるぐらい何か買おうぜ」
『それ持ってくの俺だろどうせ』

「まぁまぁまぁまぁ」と年上達に乗せられて、結局両手に荷物を持ってキヨの家へやって来た。
家へ上がるとリビングのカーテンは閉めっぱなしで、昨日から動けていない事を察する。
寝室に入ればどんよりとした空気の中、苦しそうに咳き込むキヨがいた。
とりあえず窓を開け空気を入れ替えて、もぞもぞと動く掛け布団を少しめくる。

「…おわったの」
『終わったから来たの。お前無理だったら誰か呼べって言ったよな』
「呼んだじゃん」
『今じゃねぇよ』
「…みんな忙しいし」
『いぶち今日散歩してたって言ってたけど』
「……しらね」

不貞腐れたように再び布団に潜るキヨを逃がさず捕まえる。
その様子だと恐らく満足に食事もしていないだろう。
額を触るとじんわりと汗ばんでいるが体温は高い。

『何なら食える？』
「…納豆巻き」
『うっしーが買ってマジであるけど』
「………やめとくわ」

手当り次第キヨの好きな物、食べられる物をカゴに入れていた中に納豆巻きの存在は確認していた。
ボケたつもりが滑ってしまった事で「なんでもいい」と寝る体勢に入ってしまった。

『んじゃあお粥作ってくるから待っとけな』
「ん。寝てていい？」
『いいよ』

短い返事をしたと思ったら、まだ苦しさは残るものの規則正しい寝息が聞こえて、キッチンに向かうのだった。