群青のヒロイン (ページ10)

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10.初出勤の幕開けページ10

「永瀬廉!!!」

「…しょっぱなからフルネームで呼び捨てかよ。お前一年やろ。」

「ごっごめんなさい」

やばいやばい。

何でこの人がこんなとこ居るの！？

あ、ひょっとしてここのアルバイト？

…え、じゃあ平野さんの言ってた”れん”って…

『えええええ!!!』

「わっ、びびるわ。何お前」

「っいえ、何もないです!!」

「つか、お前なんでこんなとこ居るん？もしかして新人アルバイトの榎本ってお前のことか？」

「そうですけど…」

最高に気まずい。ていうか、お前お前って連呼されると気分悪いな。

なんて、今の私の立場で到底そんなこと言えない…。

先日のことといいさっきといい、二回も私の不注意で迷惑かけたんだ。一応反省はしている。

…いちおう、

「ふーん。まあいいや。そこ退いて。出勤したいねんけど」

「…はい」

やっぱこの人愛想悪い!!!

さっきまでハイテンションはどこへやら。

これからずっと、この人と一緒！？

生き地獄じゃん

―――こうして、私のバイト初出勤は幕を開けた。