群青のヒロイン (ページ9)

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9.れんさんページ9

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「んで、ここのキー押したら出勤できるから。やってみ」

「はい！」

ユニフォームから出勤のやり方まで、全て丁寧に教えてくださった平野さん。

『廉さんって人まだ来ないんですねー』

「あいつはいっつもぎりぎりに来るからな」

『あっ！私、ボールペン休憩室に置いてきたんで取ってきます！』

「おう」

面接のときは『このコンビニ大丈夫か』と思ったが、結構大丈夫そう！

緊張しながら初出勤に挑んだが、平野さんの神対応で心は安心しきっていた。

足を弾ませながら楽屋のドアを勢い良く開けると、”ゴトンッ”という鈍い音が聞こえた。

「いっ…てぇ」

『あっ！すすすみません！！』

「…お前、この間の」

『え？』

顔を上げると、見覚えのある顔がそこにあった。

あれ、この無駄に整った顔…どこかで見たような

「……！！」

その人が誰なのかを思い出したとき、一気に顔が青ざめていくのが自分で分かった。

目の間で怪訝な顔をするこの既視感のある表情。間違いない。

――――――永瀬廉だ！！