群青のヒロイン (ページ33)

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33.先輩の家に行きますページ33

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「お疲れ様でーす」

今日は学校でユカにしつこく忠告をされ、下校が遅れてしまった。

そのため今日は通常の17時からのバイト。

心配してくれるのはありがたいが、そんなに警戒するほどのものかなぁ？

「今日は遅かったんやな。お疲れさん」

スタッフルームへ入ると、永瀬先輩は私より先に居た。

いつもはぎりぎりなのに珍しい。

「先輩は今日は早いんですね。神宮寺先輩と喧嘩でもしたんですか？」

「別にしとらんわ。てか何でお前の口からあいつの名前が出るんや」

「今日たまたま話しかけられたんですよ」

スクールバッグの中から課題を出しながらそう言えば、先輩から返事が返ってこなくなった。

不思議に思い振り返ると、何とも言えない顔で私を見てた。

「…先輩？」

「……なに」

「…あ、いや、何もないです」

私、何か気に障るようなこと言ったっけ？

なんとなく気まずくなってしまった部屋を明るくしようと、私からまた話題を振る。

「そういえば、不審者情報聞きました？」

「あーあれな。家で親子が刺されとったってやつ？」

「…え、まってなんですかそれ」

え、ちょっとまって

不審者情報って、ただ不審者らしき人が居ましたよー程度の話じゃないの？

刺されてたって何！？私、先生の話ちゃんと聞いてなかった！

「お前、話ちゃんと聞いとった？駅の近くの住宅で親子が刺されてて、犯人まだ捕まってないって話や」

あまりに恐ろしい話に私は返す言葉もなくす。

それでユカはあんなに心配していたのか。

私、金曜は家で一人きりなのに…

どうしよう。

「物騒よな。俺、一人暮らしやから戸締り気を付けな。」

「……あっ！そうだ！！」

「うわっ、突然何なん？」

「先輩！一人じゃ危ないですから私が先輩の家に行きます！」

「……は？」

「ほら、先輩、前に言ってたじゃないですか。毎週俺の家に来いって」

「いや、それは掃除しに来いっていう意味で言ったんやけど」

「なんでもいいじゃないですか！私だって一人嫌だもん！」

「何の話や？」