群青のヒロイン (ページ24)

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24.名前ページ24

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永瀬廉side

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「わー、リビング涼しい！」

風呂から帰ってきたそいつを見て、思わず固まった。

…足、ほっそ。何がダイエットや。必要ないやん。女ってマジでわからんわ。

「…お前、下着ろや」

「さっき”ワンチャンいける”って言ったの先輩じゃないですかっ！」

「俺やな。」

「だって服入らなかったんだもん…」

「足が短くて？」

「身長差の問題ですぅ！」

「ははっ冗談やら。飯出来とるからはよ食うで」

「あっ食べる！」

”飯”の単語を出したとたん笑顔になり、俺のもとへ走ってくる。

なんか、実家の犬を思い出した。

「そういえば先輩」

「ん？」

俺の作ったご飯を美味しそうに食べながらこちらに顔を向けた。

「私のこと、名前で呼んだこと無いですよね。」

「あー…そういえば」

「ていうか覚えてますか？私の名前」

「お、覚えとるわ」

と言いつつ、頭は思い出すためにフル回転。

こいつの名前、なんやったっけな。

いつも”お前”って呼んでたからわからんくなってもうたわ。

そういやこの間の朝、コイツと登校しとるときに仲良さげな男子から名前呼ばれとったな。

えーと、確か……

「A」

…あってたか？

おそるおそる顔を見てみれば、何故か恥ずかしそうに俯いていた。

なんやコイツ。

「な、名前って…下の名前なんですね。私てっきり苗字かと」

「あ、あー…まぁな」

苗字、今度バイト先行ったときシフト表見て確認しとかな。