群青のヒロイン (ページ22)

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22.なんじゃこりゃページ22

「…お邪魔します」

なんでこうなったんだろ。

私は、永瀬先輩の家の玄関に立ち尽くしている。

「…何突っ立っとるん。はよ入れや」

言葉はきついが、表情と言い方が柔らかくて優しい。

私は先輩のその言葉に素直に従い、上がらせてもらう。

「親に連絡はしたん？」

「あ、はい。バイト先の先輩の家に泊めてもらうって」

「…親はそれでええって？」

「はい。うちの親って結構そういうのテキトーなんですよ」

「ふーん」

部屋はいたって普通で、学生の一人暮らしの部屋って感じ。

私は”お邪魔しまーす”なんてボソッとつぶやきならリビングのドアを開けた。

「…なんじゃこれ」

つい、本音が出た。

ドライヤーやら服やらがその辺に散らかしたままで、空のカップ麺などもたくさん転がっていた。

先輩、片付け苦手なタイプだったんだ！

「ちょっと汚いけどまぁ気にせんでや」

「いやこれちょっとじゃないですよ！」

「なんやお前、もしかして潔癖？」

「いや潔癖じゃなくても気になる程度でしょうこれ！」

「来てそうそうギャンギャン五月蠅いなぉ…じゃあ片付けてやー」

そう言ってソファに腰かけたかと思うと「あ、風呂入ってくる」と告げ、すたこらとリビングを出ていった。

自由だなぁ

「…………」

一人取り残されたリビングで、どうしようと辺りを見渡す。

―――よし、まず掃除だ。