群青のヒロイン (ページ20)

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20.大雨ページ20

永瀬「先帰っててよかったのに」

「どうせ帰り道、一緒じゃないですか」

永瀬「まぁ…そうやけど」

20時になり、私と永瀬先輩はこれで上がり。

仕事内容にも慣れてきて、大分バイトが日常に溶け込みだしていた。

「けどなんですか？それとも私と一緒は嫌ですか。そうですか。」

永瀬「お前だるいわ」

そう言いつつもクスクス笑う先輩。

そんな先輩を見て私もへらへら笑っていると、先輩が何気なくこんなことを言った。

「なあ、電車、大雨で止まったらしいで」

「……えっ」

私のへらへら顔は一瞬にして消え去る。

確かに今日は昼からずっと記録的な大雨かっていうくらい降っていた。

嘘でしょ…

「…迎え来てもらえば？親とか」

「この時間だし、もう飲んじゃってますよ。」

「あぁ……じゃあでも、どうするん？」

ほんと、どうしよう。

タクシーという手もあるが、自宅までとなるとかなりお金かかっちゃう。

でも、他に手はない。

タクシー…かぁ。

しゃーない。

「大丈夫です！永瀬先輩は先に帰ってください！」

早速タクシーを呼ぼうとスマホに視線を落とせば、上から信じられない言葉が降ってきた。

「―――俺ん家、来てもええけど」