群青のヒロイン (ページ18)

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18.平野さんは天然ページ18

お昼に入ってたアルバイトさんは、主婦のおばちゃんの大海(だいかい)さんと平野さんだった。

大海さんは子どもの幼稚園のお迎えがあるらしく、私が16時から入ると何かと便利らしい。

主婦って憧れてたけど結構大変そうだなぁ。

「一時間早出出勤？」

「はい！学校終わるのちょうどこの時間帯なんですよね」

「そうなんや。やる気満々やなぁ」

「へへ」

17時までの一時間は大抵、平野さんと一緒になるようだ。

この人は金髪だし一見怖そうに見えるけど、たまに見せる笑顔が子どものようでギャップがすごい。

「そういえば、平野さんも関西の人なんですよね」

「……なんでわかったん？」

「え、いや、だって関西弁…」

「あっ！そっかそっか！榎本さん意外と鋭いなぁ」

…そして、平野さんはちょっと天然だ。

「俺は兵庫出身やで。…兵庫って関西なんかな？」

「兵庫は近畿地方ですよね？あれ？違ったっけ」

「方言は関西っぽいけどな」

二人で謎の深まる会話をしていると、永瀬先輩が呆れた顔でスタッフルームからやってきた。

「あっ！永瀬先輩おつかれさまです！」

「カメラから見とったで。あんたら二人なに阿呆な会話しとん」

「なぁ廉、兵庫って関西なん？」

「平野さん違いますよ、近畿地方ですよ多分！」

「…あんたら二人でバイトさせるん心配やな」

永瀬先輩の言葉に、私と平野さんはまた首を傾げた。