1.夏休みを目前に ページ1
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高校を入学して三か月目に突入した。
恋バナやテストの順位と、話題は毎日のようにコロコロ変わる中で、
最近では夏休みを目前にした私たちはどこでバイトするかの話で持ちきりだった。
「でさ、Aはどうすんの？」
朝のコンビニで、お昼ご飯選びに没頭していた私は
友達の声で我に返る。
「へ？私？…ダイエット中だしサラダにしとこうかなぁ」
「…話聞いてた？」
「ん？お昼ごはんの話っしょ？」
「バイトの話！どこに決めたかって訊いたのー」
「あーその話ね！まだ未定かなぁ。ユカは？」
「コンビニとか楽そうだけど、時給安いしねぇー」
ユカはコンビニ店員を横目に、わざとらしくガッカリしたような仕草を見せた。
コンビニバイト…かぁ
高校生になったばかりで、アルバイトを経験したことのない私は
ほんのちょっとだけアルバイトへの憧れがあった。
コンビニのバイトだったら気軽に誰でもできそうだしやってみようかな
私がボーっと考え込んでいるのなんて気にせず、ユカは続ける。
「まぁバイトもいいけどさ、せっかくのＪＫなんだしバイトに明け暮れるのももったいなくない？
今年はバイトなんてせずに、学校生活を謳歌しとこうよっ！」
「ねぇユカ、私コンビニ店員なろうかな」
ユカの言葉なんて耳をすり抜けていた私はまったく的外れな返事を返した。
案の定、ユカはふてくされたような表情を見せ、そっぽを向いた。
「……私ドリンクのコーナー見てくるわ」
「ユカ？えっ…どうしたのー」
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作者名：しお
| 作成日時：2019年8月8日 18時
