群青のヒロイン (ページ2)

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2.やっちまったページ2

「ねぇユカごめんって－」

学校についてからも、若干腹を立てたようにプリプリしているユカ。

私は後を追うようにユカに付いていく。

「Aはいっつも人の話聞かないよねっ」

「私のジュース一口あげるから、ほら！」

「いーらーなーいっ！」

「ねぇユカ～」

廊下の角を曲がったユカを追いかけ、ジュースのペットボトルを片手に私も走り出す。

「ユカってばぁ～」

ちょうどその角を曲がろうとしたそのとき、向こうからも人が来ていたようだった。

私は急いで足を止めたが、持っていたペットボトルのキャップはされていなくて、

中の液体はそのままの勢いにまかせて相手に思いきり、そしてすがすがしいほどにバシャっとかかってしまった。

「ご、ごめんなさいっ！！」

目の前に映った青いシャツと、紺色のネクタイが

じわじわと濁った色に変色していく。

青ざめて顔を上げると、驚いた顔の男の人と目が合った。

「……っ」

私は思わず息を呑む。

徐々に眉間にしわが寄っていくその表情すら、青春映画の主人公のようで

イケメンという言葉を具現化したような、

つまり要するに、イケメンだった。

「お、まえ…何してくれてんねん」