群青のヒロイン (ページ5)

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5.当たりかもページ5

その週の日曜日。

私は自分の通っている柳林(やなばやし)高校から一番近くのコンビニで働くことにし
早速電話をすると、ぜひ面接をさせてほしいとのことで

私は今日その面接のために、朝からせっせと準備をしていた。

人生初めてのバイトだが特に不安はなく、むしろ少し楽しみにしていた。

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店内に入ると、二人の店員がいた。

少しぽっちゃりしたおばさんと、マスクをした男の人。

うーん、おばさんのほうが話しかけやすそうだ。

「あのーすいません、私今日バイトの面接で来たんですけど…」

おずおずとそういえば、パッと表情が明るくなったおばさん。

その反応に少しだけほっとする。

「貴方がアルバイトの！オーナーはスタッフルームにいるからこっちおいで！」

多少強引だったが腕を引かれ、入ったことのないスタッフルームへたどり着いた。

私は思わず周りをきょろきょろと見渡す。

「あ、いらっしゃい！アルバイトのAちゃんだよね？」

「あっ、はい！」

「どうぞどうぞここ座って。履歴書もってきた？」

「はい！」

垂れている目尻が印象的な、優しそうなおじいさん。

ここ、当たりかも！

「どうぞ！」

友達と一緒に書いた履歴書をオーナーに渡し、椅子に腰掛ける。

ぶっちゃけ履歴書なんて書くのは初めてで、自分の分かる範囲でパパッと書いた履歴書。

証明写真は撮りに行く時間がなく、友達とのプリクラを貼っておいた。

「えーっと、柳林高校(やなばやし)なんだ！じゃあここから近いね！」

「はい！」

「明るそうな子だし、よし！採用！！」

「へ？」

思わずピンと張っていた背筋がヘナヘナと崩れていく。

え、面接ってこんなもんでいいの？

「さっそくシフトなんだけど、どれくらいの頻度で入れるかな？」

「あーえっと…いつでも？」

どれくらいバイトに入るかなんて考えていなかった私は、咄嗟にそう答えてしまった。

「え！本当に！助かるよ～！」

「はは…」

大喜びのオーナーとは裏腹に、私は冷や汗をかく。

…一体このオーナーどれくらい私をバイトに出させるつもりなんだろう。

悶々と考えていると、その考えをさえぎるように勢いよくスタッフルームのドアが開いた。