群青のヒロイン (ページ4)

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4.有名人ページ4

「見てたんなら助けてよぉ～」

ユカはその一部始終を見ていたようで、教室に入るなり皆に面白がって話す。

楽しそうなユカとは対照的に、今度は私がユカに腹を立てていた。

「もーごめんって！てかあの中に割って入るのもキツイでしょ」

なんて言ってケラケラ笑っているが、ちっとも笑えないよ！

「それにしても怖かったー、あの人。同じ学年の人かなぁ。出来ればもう会いたくないなぁ…」

「やっぱり、A知らなかったんだ。あの人この学校じゃ結構な有名人だよ？」

「有名人？なんで？」

「入学したころから一年の女子騒いでたじゃん。二年にイケメンの先輩がいるって」

「あー…なるほど。学園の王子様てきな？」

「そんな感じかな。永瀬先輩って単語が聞こえない日はなかったもん」

”永瀬先輩”

確かに聞き覚えのある名前のような気もしてきた。

ていうか学園の王子様って、少女マンガかよ。

確かに私も、一目見たときは映画の主人公のようだと思ったけれど

それにしては口悪いし不機嫌な態度丸出しの太々しい奴だった。

…て、私からジュースぶっかけておいて言える立場じゃないのは分かってるんだけどさ

「でも私はどっちかっていうと神宮寺先輩のほうが好きだなっ！」

「じんぐうじ？そっちは誰？」

「さっきあんたに連絡先聞いてきた茶髪の人だよ！」

「あぁー…」

そういえば、その人も確かに綺麗な顔をしていた。

確か”ゆうた”って呼ばれてたような…

「ま、Aは興味ないか」

「そうだねー。それよりおなか減った。」

不機嫌そうな人と、チャラそうな人。

この頃は、そんなイメージしかなかった。