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30.掘り返された記憶 ページ30
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「じゃあなんで俺がバスケの話したらつまんねー顔すんの？」
いきなりの瑞稀の質問に返す言葉を失くしてしまう。
気付いてたんだ。
何か言わなきゃ。いつもみたいに、
「…………」
考えれば考えるほど、頭の中はその質問で埋め尽くされていく。
『一番の主力選手だったのにね』
嫌だ。思い出したくない。
『強豪高校からのスカウトの話もリセットされたらしいよ』
五月蠅い。
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「Aちゃん？」
瑞稀ではない、別の人の声に名前を呼ばれ、ハッと前を向きなおす。
視界に景色が戻ってきて、私は思わずきょろきょろと周りを見渡した。
「やっぱり、Aちゃんだ」
声のするほうへ視線をやると、見覚えのある上級生が私を見下ろしていた。
この人、確か…
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作者名：しお
| 作成日時：2019年8月8日 18時
