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ホントに? ページ7

「…まぁ間違ってはいねェよ」

「…えっ」


…なんか、プロポーズみたいですね、なんて最高に自惚れたことを口にした私に、沖田隊長はそう呟いた。プロポーズみたいだなんて、なんだその少女漫画みたいな台詞は。何を口に出していいか分からなくてそんなことをポツリとつい漏らしてしまったことに私は後悔の念を抱いていたのだけれど、沖田隊長がそう言ったことにより渦を巻いていた後悔のことなんて忘れてバッ、と彼の方に泳がせていた視線を戻した。沖田隊長は未だに至極真面目な顔をしており、まるで私からの返事を待っているみたいに黙り込んでいる。吸い込まれそうになる綺麗な色をしたその目に、戸惑いを露にさせた私が居た。沖田隊長は何も言わないまま、私を見つめている。

…え、まさか、本当にプロポーズだった…?と。私の頭は後悔の次に混乱が舞い降りた。いやそんな。だって私達はまだ18歳で、そりゃお互いに結婚できる歳ではあるけれど、なんだかまだ早いような気がする。いや、それは沖田隊長とのそれが嫌なのだというわけではなく、本当にまだ早いのではないかと思っているだけであって。まだお付き合いを始めてからそう時間も経っていないし、スピード結婚すぎるのではなかろうか。ていうか、え、ホントに?


「あ、あぁああの…!!」

「…プッ」


一人であたふたとしていれば、沖田隊長は不意に吹き出して、クツクツと笑い始めた。肩を震わせながら。私はそれを見ては呆気に取られたように彼を見据えて。


「…冗談ですか…?」

「いや、冗談でもねェけど…その、慌てよう凄まじすぎだろィ…」

「…だって…」


…沖田隊長は笑い続け、私は熱くなった頬を隠すように両手を添えた。彼が触れた方の頬には、彼の体温の余韻が残っていた。


「…今すぐじゃァねェよ。お前のことだから、まだ早いー、とかそーいうこと思うだろうし?」


そう焦んなよ、と、沖田隊長は言う。彼は私のことをよく理解してくれているんだなぁと思いつつ、じゃあ、と。私は思う。私がそう思っていなかったとしたら、彼はどうしたのだろう、と。そんなことを考えては、一人でまた照れ臭さに悶えそうになった。


「だが、」


正式なそういうんじゃなくても取り敢えずいいだろィ、と。彼は続ける。


「ただ俺は、俺の隣に居てほしいってのを言いたかっただけでィ」

「ッ…」

「A、」


沖田隊長は私の名前を呟いて、私のことを真っ直ぐに見つめて、口にする。


「この先、俺ァお前を護ってく。だから、……傍に、居てくれねェですかィ」


…呼吸をすることを、忘れてしまいそうだった。

隣に→←彼らしい



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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乙愛 - なんて可愛い反則技だろう…… (2019年2月28日 23時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 白桃餅子さん» テストがあったんてすね、お疲れ様です(*^^*) 癒しになれたなら嬉しいです!ここ最近スランプのようなものに悩まされて頭を抱えておりますが、頑張らせて頂きますので、お楽しみくださいね! (2018年6月7日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - テスト明けに来たらノックアウトされました(笑)いやあ、さすがですね。文才欲しいですわ……。沖田くん最高ですな! 続きも頑張ってください! (2018年6月2日 22時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 姫さん» 姫さん!ありがとうございます!!わ、私の作品で…銀魂を好きに…!!感涙です!!!この小説を切っ掛けに銀魂を好きになってくれたら嬉しいです!!キュンキュン沖田さんをこれからも書いていきますので、お楽しみいただけたらと思います!!頑張らせて頂きます! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近この小説の事を知り、銀魂は知らなかったのですが好きになりました!読む度に沖田さんにキュンキュンさせられてます!続き楽しみに待ってます。 (2018年5月27日 6時) (レス) id: ce80cc2f9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2018年5月3日 20時

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