【銀魂】沖田隊長、私は貴方の隣にいます【沖田総悟】

意味深 ページ5

Aside


…茜色に照らされて、白い花がその色に染められている。沖田隊長が私にプレゼントしてくれたマーガレットのチャームがついたネックレスだった。私はそれに指を触れさせて、本物の花に触れるように優しく撫でていた。私に口付けしている間に、沖田隊長はこのネックレスを私につけてくれて、花言葉を教えてくれた。私は花が好きだけれど、花言葉なんてものはあまり知らなかった。花の名前は花屋さんで見てそれなりに覚えていたりするけれど、花言葉は調べないと中々分からないものだ。興味がない訳ではないので、そのうち花言葉の本でも買って、少しくらい覚えてみたいな、なんてことを思っていたのだけれど、まさか沖田隊長が花言葉なんてものを知っているとは思わなかった。だから、マーガレットの花言葉を教えてくれたことに少し驚いた。

マーガレットの花言葉は、『恋占い』というらしい。恋占いというのは、聞いて納得した。花びらの枚数で好きな相手が自分のことをどう思っているのかを占う花で連想されるのはマーガレットだ。誰に教わった訳でもないけれどそう思えた。そして、マーガレットの花言葉はそれだけではなくて。


『…真実の愛、とも言うらしいぜィ』


…と、沖田隊長は言った。真実の愛。そう自分の口で反芻して、なんだか恥ずかしくなって「くさいですね」なんて呟いてみたけれど、それはほとんど照れ隠しであった。沖田隊長の口からそんな言葉が飛び出すのはなんだか意外なように思えたけれど、その言葉がまるで彼から私に向けられているように聞こえてしまって、私は自惚れるなと自分に言い聞かせていた。ただ、彼は花言葉を教えてくれただけなのだから、と。深読みして気付かれたらバカにされてしまう。


…けれど、沖田隊長は続けたのだ。私のことをじっと見つめながら。


『マーガレットってのは、結婚式のブーケにもよく使われるんだってよ』


…結婚式。ブーケ。そんな単語がまた飛び出し、私はやっぱり恥ずかしくて視線を伏せて「結婚式、ですか」と呟いた。どうして沖田隊長がこんなにもマーガレットのことについて詳しいのかは謎だが、どうやら私の首元でオレンジに照らされているこの白い花は、結婚式の花嫁さんが手に持つ花束。ブーケに使われる花らしい。

…とても意味深な言葉に、なんだか特別な意味があるように思えてしまって。沖田隊長のそんな言葉にドキドキとしてしまう。そんな私を見つめたままに、彼は更に告げたのだ。


「…俺は、お前とずっと一緒に居てェ」

彼らしい→←これからを　沖田side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す