自信になる ページ39
…確かに、私は沖田隊長や副長に局長、他の先輩隊士さん達に比べるとまだまだ未熟者だ。比べるまでもない。彼等と私とでは、潜り抜けた死線の数も違いすぎるし、実力も何もかもが私は劣っているのだと思う。今まで一度として、彼等と同じところに立てていると思ったことがない。肩を並べて、背中を護り合うには、私は足りていないのだろう。毎日毎日稽古をしていても。上を目指そうと努力していても、例えば沖田隊長との差は歴然である。『覚悟が足りねェ』。その言葉が心の中心に深く突き刺さるくらいには、それを自覚していた。私は、まだ足りていない。彼等には遠く及ばない。分かっていたことでも、それはとても悔しいものであった。覆せるなんて思っていなくても、覆すような勢いで頑張らなくてはならないのだと思った。
…私は、私なりに努力しているつもりだ。日々鍛練を怠った覚えはない。私だけではなく、他の隊士さん達だって歯を食い縛るような努力をして今があるのだ。それでもまだ彼等は強くなるために竹刀を握っているのだ。私は、それよりも更に踏ん張らなければならない。それは当然のことだ。
彼等に追い付けなくとも、その背中に少しでも近付くために、毎日のように自主練をしている。それでも、まだ足りないのだと竹刀を振りながらに考える。
…真選組であるために。一番隊の人間であるために。出来ることはなんだってしてきたし、足りないのならそれを足していきたいと思っている。私にまだ必要なことがあるのなら、それを見付けたい。だから、私は副長に問い掛けた。
『真選組として、一番隊として、戦えるのか』。
「確かに、お前の剣はまだまだだ。時々剣筋がぶれることがあるし、人を斬るということにまだ躊躇いがあるように見える」
「はい」
その通りだと自分でも思う。頷くと、副長は「だが、」と続ける。
「長い間剣を握っていて、神童と呼ばれたことにも納得がいく実力は持ってる。不安要素はあるが、戦場ではやっていけるだけの力はあると、俺は思う」
「あ、ありがとうございます…！！」
机に頭をぶつけるくらいに頭を下げた。素直に嬉しかった。副長に、こうして直々に褒められることはあまりない。なんだか誇らしい気分になる。感激のあまりまた泣きそうになる。
副長は嘘をつかない。例えば剣について、でたらめは絶対に言わない。彼自身も長く剣を握ってきた人だ。ダメ出しも的確だし、だからこそ「力がある」と言われると自信になる。図に乗ることはしないけれど。
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乙愛 - なんて可愛い反則技だろう…… (2019年2月28日 23時) (
レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 白桃餅子さん» テストがあったんてすね、お疲れ様です(*^^*) 癒しになれたなら嬉しいです！ここ最近スランプのようなものに悩まされて頭を抱えておりますが、頑張らせて頂きますので、お楽しみくださいね！ (2018年6月7日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - テスト明けに来たらノックアウトされました(笑)いやあ、さすがですね。文才欲しいですわ……。沖田くん最高ですな！ 続きも頑張ってください！ (2018年6月2日 22時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 姫さん» 姫さん！ありがとうございます！！わ、私の作品で…銀魂を好きに…！！感涙です！！！この小説を切っ掛けに銀魂を好きになってくれたら嬉しいです！！キュンキュン沖田さんをこれからも書いていきますので、お楽しみいただけたらと思います！！頑張らせて頂きます！ (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - 最近この小説の事を知り、銀魂は知らなかったのですが好きになりました！読む度に沖田さんにキュンキュンさせられてます！続き楽しみに待ってます。 (2018年5月27日 6時) (レス) id: ce80cc2f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2018年5月3日 20時
