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一番の問題は ページ38

「伝えなきゃって、分かってるんです。言わなきゃどうにもならないことも、分かってるんです」


…伝えなければ。言わなければ。言葉にしなければ進まないことは分かっている。私の望みなのだから、私が彼に言わなきゃいけない。私がやりたいことは私にしか分からないし、その気持ちがどれだけ本気なのかを知っているのも私だけだ。それを主張できるのは、私だけなのだ。本当に真選組でありたいのなら。真選組一番隊の人間として戦場に立ちたいと思うのなら。それを言葉にしなければならない。彼がそのことを望んでいないとしても、ぶつからなければならないのだと思う。頭では、理性では、そう思っているのだ。けれど、彼にそれを口にしようとすると、声が出なくなる。言葉が喉に詰まって、出てこなくなる。怯えて隠れているように。それが彼に見つかってしまうことを、怖がっているように。

…そうだ。私は怯えているんだ。怖がっているんだ。彼に私のその気持ちを主張することを。彼の気持ちを無視してしまう。彼の優しさを足蹴にしてしまう。そんなつもりではないのに、そんな罪悪感のようなものが私にはあって、けれどきっと、それですら私の逃げでしかなくて。


…沖田隊長の優しさもそう。けれど、一番の問題は、私にあるのだろう。


「…でも、怖いんです。また、ダメだと言われてしまうことも」


…彼に首を横に振られてしまったとき。連れていかないと。連れていくことは出来ないと言われてしまったとき。私はきっと、地の底に落とされたような気持ちになるだろう。

…以前、私は沖田隊長に言われたことがある。『覚悟が足りねェ』と。討ち入りが行われることになって、けれど彼は私を参加させないと言って。どうして参加できないのかを問い掛けたときに、彼はそう言った。けれどその言葉は彼自身のことについての言葉であり、私ではなかったと教えてくれた。彼自身の覚悟が足りていなかったのだと、病室でそう話してくれた。けれど、その時と同じような気分になることは、目に見えている。


…私は、沖田隊長の返す言葉にすら。彼が下す判断にすら、怖がっているのだ。


『…貴方の隣で、貴方を護らせてください』


…あの時、私が彼に伝えた言葉を、彼は覚えていてくれているだろうか。


「…成る程な」


と、副長は呟いた。目を伏せながら、タバコの煙をゆっくりと宙に浮かばせて。


「副長、私は、真選組の人間として、一番隊の人間として戦えるのでしょうか」


…私は、彼等と一緒に、同じ戦場に立てるのだろうか。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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乙愛 - なんて可愛い反則技だろう…… (2019年2月28日 23時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 白桃餅子さん» テストがあったんてすね、お疲れ様です(*^^*) 癒しになれたなら嬉しいです!ここ最近スランプのようなものに悩まされて頭を抱えておりますが、頑張らせて頂きますので、お楽しみくださいね! (2018年6月7日 23時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - テスト明けに来たらノックアウトされました(笑)いやあ、さすがですね。文才欲しいですわ……。沖田くん最高ですな! 続きも頑張ってください! (2018年6月2日 22時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 姫さん» 姫さん!ありがとうございます!!わ、私の作品で…銀魂を好きに…!!感涙です!!!この小説を切っ掛けに銀魂を好きになってくれたら嬉しいです!!キュンキュン沖田さんをこれからも書いていきますので、お楽しみいただけたらと思います!!頑張らせて頂きます! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近この小説の事を知り、銀魂は知らなかったのですが好きになりました!読む度に沖田さんにキュンキュンさせられてます!続き楽しみに待ってます。 (2018年5月27日 6時) (レス) id: ce80cc2f9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2018年5月3日 20時

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