【銀魂】沖田隊長、私は貴方の隣にいます【沖田総悟】

問題がある ページ15

…沖田隊長とのデートがあったのは、もう一ヶ月近く前の出来事であった。ホワイトデーという日からそれだけの時間が過ぎ去っていき、その間に季節は移り変わっていった。花が待ってました！と言わんばかりに顔を見せる季節がやって来た。桜はもうほとんど終わってしまったけれど、見回りなどで江戸を歩いていると、白い花。マーガレットが咲いているのをたまに見かけたりして、心が踊る季節だ。よくよく見ていると、マーガレットは野生でも咲いていて、沖田隊長のおかげでよく見つけるようになった。花はどれも好きだけれど、その花は特別な意味を私の中で持っている。その花を身近に感じられるのはとても嬉しいことであった。

……けれど、ひとつ、問題があるのだ。そして、その問題に、今私は向かおうとしている。


…とある部屋の前。閉められた襖と前に立ち止まると、私はその襖を軽く睨みつけるようにして見据えた。その先に居る……というか。寝ている彼を睨みつけるような心持ちで。そして、左腕の手首につけてきた腕時計に目を落とす。あと10分程で、彼が寝ることが許されている時間が終わる。私が朝目を覚ましたのが６時半。それから色々な支度を済ませて、現在は７時半少し前。そして８時からは会議がある。定期的に行われる隊長陣達が集う重要な会議であり、それには私も出席する。そして。


…当然この部屋の主である沖田隊長も参加する訳で。


「今日こそは自力で起きてくれる……訳ないか…」


…昨日。私は会議があることをしっかり彼に告げた。何度も何度も。分かったっつのしつけーなと言われようと繰り返した。だって沖田隊長は、分かった分かったと言いながら堂々と寝坊するんだもの。彼の分かった分かったはもう信用することは出来ない。そのため、私はこうして沖田隊長が起床するべき時間にちゃんと起きてくるのかを確認しに来た訳だ。また会議に遅刻して、皆さんに迷惑をかける訳にはいかない。ここは、今日こそは私がどうにかして会議を遅らせないよう努力することが必要なのである。

…けれどきっと、彼を起こすのは一筋縄ではいかない。ただでさえいつも面倒なのに、その上季節は春である。冬も寒くて布団から出たくない季節だけれど、春はそれよりももっとたちが悪い。


…春眠、暁を覚えず、とはよく言ったものだ。春の心地のいい眠りについている沖田隊長を起こすのは、通常よりも骨が折れるに違いない。想像しただけで溜め息が漏れる。

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