189 『凪』 ページ40
若干の残酷表現注意。
.
衝撃。
土埃が
瞳。
すぐ目の前。鼻と鼻がくっ付きそうな距離に、鬼が。体が完璧に固まった。落ちぶれを表すその瞳が、Aを見つめている。
ひゅ、と喉の奥から変な音が鳴って、
「よくも」
ずぶり。
その音に彼女が震えながら下を見下ろした。爪が、Aの腹から生えていた。いや、そんな訳はない。違う。ではどうなっている。刺されたに決まっているだろう。刺された、何処が。腹がだよ。この深さは確実に内臓が刺されただろうなぁ。
……ほら、血が出て来た。
「ごふ」
べちゃり、と喉奥からせり上がって来た血を吐き出す。ごふ、ぁふ、とえずく度にびちゃびちゃっと生温かな血が自分の口から飛び出した。右手で口を押さえ、左手で出血部を押さえる。そんなものはどうでも良いとばかりに、どくどくと生命維持に必要な何かが溢れて行くのを感じた。温かい、モノ。それが自分の体から、溢れて。零れて。
天地がどうなっているのか分からない。今自分は倒れているのか。お腹、痛、痛い。刀。斬らなければ。鬼。殺される。その前に。自分が死ぬ前に。
あの人を、助けなければ。
鬼が背を向けた。放っておいても死ぬと判断したのだ。確かに、致命傷を与えられて地面で痛みに泣いているだけの小娘に止めを刺すより、彼を殺そうと身構えるのが絶対に良い判断だ。
──相手が、私じゃなければな。
「────」
土煙が晴れて、滲んだ視界で、煉獄が目を見開くのが見えた。その視線は彼女の腹部、今も出血が絶えずしている一点に注がれている。ふ、と笑みを浮かべて。
「女の次は、オマエダナ?」
最早廃人のような笑みで、煉獄を見た鬼。歪な顔とまるで複合音声のような声だった。
……ちげーよ、と、声がした。
鬼がバッと勢いよく背後を振り向く。まさか女が、いやしかしあの怪我で立ち上がれる訳、
修羅のような凄絶な笑みを浮かべたAが、刀を横に振り払う。
凪いだ。
──バァカ、と嗤って、そのまま、私は、
意識が、消失。
.
ううう上シリアスなのに凄い御免ね、唐突だが今さっきキッチンにGが出没したんだ、大惨事だよ大惨事、叫び過ぎて喉が痛い。恐怖だよ恐怖アレは。クソ兄貴がマジで使えなかった。何が言いたいかってメンタルフルボッコってこと。
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白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ですよね。(真顔) (2020年5月8日 21時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - やんでゅぇる (2020年5月8日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ありがとう御座いますっ……!!今回の描写とかちょっと人によってはぐろいってなるかもしれないので、いつも注意書きしているのですが嬉しいです。三人称の小説少ないので、万人受けはしないと思っていたのですが……、結構皆反応してくれますね(笑)。 (2020年5月7日 21時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - こういう描写書けるのって凄いです。尊敬します。(※嫌みではないです。純粋にそう思ってます) (2020年5月7日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - Ecarlateさん» 途中から失礼します!私も順番知りたかったのでありがとうございます! (2020年5月5日 15時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2020年4月26日 17時