186 『良い人ですね』 ページ37
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「ひっ、今そこで物音しませんでしたか」
「うむ！ 兎だな！」
「あ待って足が震える、やばいもう歩けなさそうです」
「うむ！ 背負ってやろう！」
「ちくしょうアンタ良い人だな！」
もう色々と面倒になってヤケクソでAが叫ぶ。煉獄は良い人だった。ただ今だけはマジでその優しさはいらないと思った。
ガサッと茂みの中で音が聞こえる度に彼女が肩を跳ねさせる。しかし煉獄は彼女の前を先導してくれているのでそれには気づかない。というか背負ってくれた。正直言って人肌がマジで恋しくなったので(この数時間で)それはありがたい。
そして山に這入ってから数時間後。Aの表情は完全に��無��となった。夜道で歩いてたら妖怪に間違われるレベルでドン引きされる表情である。
しかし煉獄は彼女を背負っていたのでそれには気づかなかった。
もうさっさと鬼出て来てくれよ、と心の中で唱える。というか最早それしか唱えていない。
「煉獄さぁん、まだですかね鬼さんは……」
「そうだな！ まぁこういうこともあるだろう！」
「そうで」
すか、という言葉は「ぼげふっ」という喉から反射的に飛び出た声によってかき消された。おふ……、と何か固い物に激突した鼻を押さえる。手に当てた指の隙間から前を見てみれば、それは木であった。
先程までこの暗さでも目立つ煉獄の髪の毛が目の前にあったはずだ、なのに何故、と思考する。その思考より先に、「A少女！ 戦闘態勢を取れ！」という煉獄の声が聞こえた。
煉獄が咄嗟に気遣う暇もなく放り投げたことなど知る由もない彼女は、全くどういう状況か掴めない。けれどそのピリピリとした、独特の雰囲気に押され左側の刀を引っ掴んで��上に��飛ぶ。上とは何処か？ 勿論彼女が激突したその木だ。
木の枝を片手で掴んで、自分の体をぐるりと回すして木の枝に着地。そして戦線状況をきちんと把握した。──鬼が、出たのだ。
煉獄は彼女の即座の行動とその結果(跳躍距離が２ｍを優に超えていた)に驚きつつ、鬼から
────星の光に照らされて、
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白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ですよね。(真顔) (2020年5月8日 21時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - やんでゅぇる (2020年5月8日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ありがとう御座いますっ……！！今回の描写とかちょっと人によってはぐろいってなるかもしれないので、いつも注意書きしているのですが嬉しいです。三人称の小説少ないので、万人受けはしないと思っていたのですが……、結構皆反応してくれますね(笑)。 (2020年5月7日 21時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - こういう描写書けるのって凄いです。尊敬します。(※嫌みではないです。純粋にそう思ってます) (2020年5月7日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - Ecarlateさん» 途中から失礼します！私も順番知りたかったのでありがとうございます！ (2020年5月5日 15時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年4月26日 17時
