167 『気持ち悪い』＊ ページ18
此処の描写はかなり不快になる方がいるかもしれません。このページは自己責任で読んで下さい。
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違う、とAは自分の思い違いに気づいた。いきなり辺りが真っ暗になったんじゃない。
自分の目が、見えなくなっているのだ。
は、という自分の息が聞こえる。落ち着け、落ち着いて、相手の気配を探って、
「げふ、くふッ……！！」
腹を蹴り上げられた。完全にド素人の強さだったが、何の防御もしていない急所をまともに蹴られたのだ。痛みに呻き、震える手で腹部を押さえる。
落ち着こうと思っても、無理だった。自分の目が、一生見えなくなるかもしれない。恐怖が泥濘のように纏わりついた。解決案が思いつかない。
がむしゃらに刀を振り回す。感覚だけは消えていないので、自分の体を誤って斬ってしまうなんてことはない。多少の牽制になれば、とダメ元でやってみたものの、男が息を呑んだ音が聞こえた。それからザザ、と地面を強くこするような音。
──？ 違和感が生じた。
そしてその違和感のせいで、Aは思わず刀を振り回すのを止めてしまった。
瞬間、左手に感じた──違和感。人肌。握られている、と直感して、
全身の産毛が総毛だった。肌が粟立つ。自分の左手が確かに、誰かに触られていた。自分の目が見えるようになった感動すらも、全て嫌悪感を吐き出させる材料にしかならなかった。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち「お嬢ちゃん」悪い気持ち悪い気持ち悪い、何これ、気持ち悪い。心臓がドクドクと嫌な音を立てた。金縛りにあったように体が動かなかった。殴らなければ。「そんな暴れないでくれ」判断ができない。脳が動かない。気持ち悪い吐きそう。何だこれ、お前何言ってるんだ。気持ち悪い気持ち悪い。触るな私に。死ね。今すぐ死ね。今すぐ私の目の前から消えて記憶から消えろ。死ね。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い、
「殺す」
────白い羽織りが、目に映った。
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白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ですよね。(真顔) (2020年5月8日 21時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - やんでゅぇる (2020年5月8日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ありがとう御座いますっ……！！今回の描写とかちょっと人によってはぐろいってなるかもしれないので、いつも注意書きしているのですが嬉しいです。三人称の小説少ないので、万人受けはしないと思っていたのですが……、結構皆反応してくれますね(笑)。 (2020年5月7日 21時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - こういう描写書けるのって凄いです。尊敬します。(※嫌みではないです。純粋にそう思ってます) (2020年5月7日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - Ecarlateさん» 途中から失礼します！私も順番知りたかったのでありがとうございます！ (2020年5月5日 15時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年4月26日 17時
