151 『自主規制』 ページ2
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待て待て実弥、落ち着け。きっと多分聞き間違いだろう。
そう自分に言い聞かせた不死川は、目の前のAへのイラつきと何も知らない周りの人々の怒りを必死に胸中に押し留め、唇の箸を痙攣させるだけで堪えた。それからゆっくりと息を吸い、
「悪っ……、カッタナ。泣キ止メ」
と片言で言った。誰がどう聞いても自分から進んでしたであろうものではない言葉だったが、文面だけ読み取ればそれは確実に『謝罪』の文章であった。
不死川は、Aに、謝った。
途端、先程までのしおらしさと涙はどこへ行ったのか満面の笑みで自分よりも身長の高い不死川を見上げてぺらぺらとよく回る舌で喋り始めた。
「いっえー！ ��謝ってくれた��なら、別に良いんですよぉ！ だって��謝られたら��、そりゃあ人は許さなきゃねえ！ 嗚呼、私ってば何て優しいの」
コロス。
神速で抜かれようととした手をギリギリのギリで止める。後ろ手になった右腕は今にもこの目の前のクソみたいな女を叩っ斬ろうとうずいて仕方がないが、僅か一マイクロだけ残った理性が『公衆の面前でやるのはまずい』と訴えてそれを止めていた。路地裏に連れ込んで斬ってやろうかなどと物騒な思想が彼の頭を過るのは仕方のないことだった。
わざわざ『謝った』の部分だけ強調して話すAに、不死川は表情筋を引き攣らせないようこれまでにないぐらいに全力で呼吸を使う。かつて殺し合い以外でこれほどまでに真剣に呼吸を使ったことがあっただろうか。否、無い。
「お、おォ」と先程よりはほんっっっっの少しだけ柔らかくなった口調で、当たり障りない返事を返す。
本音を言えば「お前今何つったオイもう一回言ってみろやぶっ殺すぞいや○○○○して○○○してやろうかこの○○○(〇の部分は全年齢対象な為自主規制)」だとか何とか言いたかった。というか喉奥に現在詰まっている。
しかしこの不死川、腐っても鬼殺隊。鬼を滅し人を救う為の組織にいる人間である。これぐらいのことで心を揺るがされていては、
「あっじゃあ不死川、私の為に全財産を貢いでくれる？」
「よしお前死刑」
「エッ」
まぁ煽り検定一級保持者を持っているAの前では、短気な奴はどいつもこいつもカスであった。
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白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ですよね。(真顔) (2020年5月8日 21時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - やんでゅぇる (2020年5月8日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - まくすうぇるさん» ありがとう御座いますっ……！！今回の描写とかちょっと人によってはぐろいってなるかもしれないので、いつも注意書きしているのですが嬉しいです。三人称の小説少ないので、万人受けはしないと思っていたのですが……、結構皆反応してくれますね(笑)。 (2020年5月7日 21時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - こういう描写書けるのって凄いです。尊敬します。(※嫌みではないです。純粋にそう思ってます) (2020年5月7日 21時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - Ecarlateさん» 途中から失礼します！私も順番知りたかったのでありがとうございます！ (2020年5月5日 15時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年4月26日 17時
