【銀魂】記憶喪失中の舞姫は働く万事屋を営業中！ (ページ24)

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「日向、また来るネ！」

「お邪魔しました、お松さん」

3人がぺこりとあたまをさげて万事屋へと帰って行く。
横一列に並んで歩いていく3人の背中をぼんやりと見つめながら、日向は何かを感じた。

(私もこんな風に誰かと並んで歩いていた気がする…)

真っ赤な夕焼け空の下。隣にいたのは誰だっけ？

…こちらを振り返って微笑んだあの男性は……

「っ……！！！」

ノイズがかかったように乱れる記憶がわずかに浮上すると、唐突に頭が酷い痛みに襲われた。

「…どうかしましたか、日向？」

頭を押さえ、震える彼女を松が抱きとめる。

「私、松さんがいれば何も要らないよ…仲間だって、昔の記憶だって…要らないよ…」

松がいればそれでいい。

どうしてここに辿り着いたのかもわからない無一文の自分を、温かい愛情で包んでくれた松。

たとえ昔がどんなに幸せだったとしても、きっと今に劣らないはずがない。

「私の家族は松さんだけ…」

記憶は戻らなくていい。

(だからお願いです、)

信じもしない神様に頼む。

(ずっとずっと、松さんの隣にいさせて……)

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