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「ここが江戸で一番人気の団子屋です」
二人の後ろをついて回っていた彼女は、妹…そよの頼みによって甘味処を案内していた。
場所は無論、松の団子屋である。
「松さん!客、連れてきたよ!!」
暖簾をくぐって松にそう言うと日向は二人を中に招き入れた。
ちょうどこの時間はピークを過ぎていて人が少ない。
「あぁ?見ねぇ顔だなぁ、日向?」
強面の男が 二人をまじまじと見つめた。顔こそ怖いものの、火消しの仕事をするただの常連オヤジだ。
「うん、初めてだからね」
そんな彼に 日向はお茶を差し出すと立ち竦む二人を席に誘導する。
「ああ見えても実はいい人なんです」
ちょっと引き気味のそよに日向はそう言った。
「皆さんのおかげでお店をやれるんですよ」
そこへ団子とお茶を持った松が現れ言う。オヤジがへへっと笑い声をあげた。
「かぶき町はいい町ですか」
兄が問う。
松はいつもと変わらぬ暖かい笑みを浮かべ
「えぇ、とっても」
と、頷いた。
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いぬ(プロフ) - 大好きです!いや、もう本当に好きです。日向ちゃんの性格が可愛すぎるっ!これからも頑張って下さい! (2020年12月17日 6時) (レス) id: daed22b7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉良 x他1人 | 作成日時:2015年1月9日 18時