三珍味のお姉ちゃん ページ4
. _____会話多いです。
姉side
『あ……』
「どうした？」
『小太郎君に渡そうと思っていた書物……屋敷に置いてきちゃったの』
嗚呼…どうしましょう。
一昨日、私は読み終えた書物をあげると彼と約束していたのに。
きっと、神社にいるだろう小太郎君に申し訳なく思った私は晋ちゃんを先へ促し、屋敷へと舞い戻ることとなった。
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目当ての物を持ち、こっそりと屋敷の門を開けると、栄ちゃんとばったり鉢合わせてしまった。
長女の栄ちゃんは、今年で齢十八。
嫁ぎ先は武家の人で齢は二十六だそう。
十六で花嫁修行を二年するから、この二年間栄ちゃんはいなかった。
最近帰ってきたのは、もう嫁ぐからみたい。
『栄ちゃん。何処かへお出かけ？』
話しかけると、栄ちゃんは此方へ振り返った。
可愛いらしいよそ行きの顔が崩れ、卑屈そうに口角を上げる。
「そういう貴女も、出かけてたんじゃないの？晋助と一緒に外へお遊び？いいご身分ねぇ…。
私なんて、ここ二年地獄だったっていうのに」
嫌味ったらしく栄ちゃんは言うけれど、それが冗談じゃなく本音だってことは手に取るようにわかる。
本当に災難だった、としか言いようがない。
『あらあら、それは仕方ないわねぇ。栄ちゃんも私もお料理は下手だもの』
特に家庭料理が酷くって。晋ちゃんが風邪で寝込んだときに作ったお粥とか。栄ちゃんが、光ちゃんに作ってあげた肉じゃがなんて、食べることすら躊躇う程だったもの。
『あの時の栄ちゃんの作った肉じゃがったら、とても酸味が効いていて私は一口で食べるのをやめてしまったわね』
「そういうAのお粥も何アレ？おかゆなのに、甘ったらしくて仕方ない。どんだけ、砂糖入れてるのってぐらいにね。私も一口でギブだったけど？ちなみに、隠し味か知らないけど、蜂蜜どんだけ入れてるの？多すぎる。晋助が可哀想…」
『そういう栄ちゃんも、いくつレモンを使ったの？肉じゃがなのに、レモンの酸味しかしないなんて、光ちゃんが可哀想だったわ。あの子、苦いものが好きなのに」
→続
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・長女
【名前】高杉 栄 (さかえ)
【齢】 18
【好物】 酸味_____特にレモン
・次女
【名前】高杉 A
【齢】 14
【好物】 甘味_____特に砂糖・蜂蜜
・三女
【名前】高杉 光(みつ)
【齢】 9
【好物】 苦味_____特に珈琲豆“生で”
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金糸雀 - 桜華さん» コメントありがとうございます。できる限り更新頑張ります。 (2018年8月13日 18時) (
レス) id: bdf6a0b39b (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - 続きが楽しみです！ (2018年8月13日 0時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金糸雀 | 作成日時：2018年7月27日 18時
