三話 ページ4
「まずは、私自身の説明だ。
私は"神"世の中の全ての中心である存在だ」
真顔でそう語り始める男。
神?
この世界の中心?
「すみませんが、何を言っているのか俺には分かりかねます」
「いいから話を聞け」
「口を挟むな」と言わんばかりの目で俺を見た後、神と名乗る男は話を続けた。
「そして私には一つの悩みがある。
それは、人間の心というものが分からないことだ
人間の心理というものは本当に複雑だ。
考え、悩み、苦しみ、喜び、悲しみ、怒り。全てが自分自身への負担となるものだと分かっていながら、人間はその心を大切にする。
私には全く理解ができない。
そこでだ!!」
神は、僕の前へとグッと顔を近づけ声を張り上げて言う。
「私は考えた!
私が選んだ人間を使い、人間の心理というものを知ろうと!!
そこで選ばれたのが・・・」
「俺と言うことですか」
「そうだ!」
「申し訳ないのですが、俺が選ばれた理由が分からないのですが・・・」
「私は、君の幼い頃からの生活を見てきた。
両親を失い、大きな秘密を背負い、味方がいない孤独に耐えながら、前を見続けた君の姿を。
そして君は願った。
今とは違う生き方をしてみたい。と
だから私は、君を選んだ。
君なら必ず私の求める成果をあげてくれると思ったからだ。」
そう、神が淡々と僕に説明をする。
人間の心理?
違う生き方?
「そんなこと出来るんですか?」
「もちろんだ!私は神だからな!
どうだ?受けてくれるか?」
祖父が求める優雅な後継者として過ごす毎日。
それは凄く息苦しくて、
重たくて、
孤独だった。
今までのそんな人生から少しでも離れることが出来るのなら、
確信はない・・・
もしかしたら、これは夢で目を覚ませば、いつもの生活に戻っているかもしれない。
それでも、
少しでも今の自分を変えられる可能性があるのなら、
俺は・・・
「神様、その話お受けさせて頂きます」
その少しの可能性に賭けよう。
今の自分を変えるために。
「よく言ってくれた。
では、これからの君の活躍に期待しているよ」
その言葉を最後に、僕の体は眩しい光に包まれ、ゆっくりと意識を手放した。
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鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年6月13日 22時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
ユピノン(プロフ) - サイコパスさん» 読んでくれたんですねぇぇぇええ!!!!ありがとう!!!!!! (2018年7月13日 7時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 待ってたあああああああああ (2018年7月9日 20時) (レス) id: 360999b51b (このIDを非表示/違反報告)
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