物の怪憑き その弐 ページ9
確信でもしているのだろうか。先輩は、頷く動作を繰り返しながら、お坊さんに言った。
翡翠「物の怪が憑いています。しかも獣の霊ですね。」
坊「そうですか。やはりというか何というかと言ったところです。」
翡翠「ただ祓うのは流石に辞めておいた方がいいと思います。とり憑かれた原因が船岡山にあると思うんですよね。この件は、少し長引くかもしれませんので、悪しからず。」
坊「分かりました。お願いします。」
お坊さんは、そういうといつのまに暴れるのを辞め、床ので突っ伏したまま寝てしまった中学生の少年のガムテープをとりそのまま背負って帰っていった。僕の目には、憔悴仕切ったお坊さんの顔が写っていた。おそらくお経を唱えたりして、供養しようとしたのだろう。それでも無理だと感じたから依頼してきたのかと染々思っていたとき、「こんにちわー!!」と飛びきり明るい声が聞こえた。春だろう。全く、元気のいい奴だな、全く。
春「今の誰?依頼してきた人?」
翡翠「まぁ、そうだな。」
春「へぇ、お坊さんが依頼してくるって珍しいですね。どんな依頼…………」
琥珀「物の怪憑きだよ。」
春「物の怪か。どんなの?特徴は?」
琥珀「知らないよ。ただ、中学生の少年が、暴れるのと呪文みたいなのを言うことぐらいで分からない。」
翡翠「まぁ、原因としては、京都にある船岡山だからな。明日辺りに調査でもしてみるとするか。知り合いも京都に住んでるし、まぁ二日あれば、進展するだろ。とゆう訳で、付いてこいよ、二人とも。」
春「えー、明日部活が……」
翡翠「入ってないだろ。」
先輩に言われて項垂れる春。確かに入学してまだ、半月。部活動紹介すら済んでないのに、部活動で、バイトを休もうとするとか頭悪いよと心の中で突っ込みながら、大きくため息を吐いた。今回の仕事、あの時みたいに上手くいけばいいけどと心の中で呟く。
翌日の夕方、金曜日ということもあって、学校が終わり次第に嫌嫌と嘆く春の襟首を掴みながら、興信所に向かう。すでに、二泊するための荷物があるため、往生際が悪いよと言いながら、走る。興信所の前にはもう車が止まっている。何故かキャンピングカーが。運転席には先輩が乗っており、「早く乗れ。」とせかす。二泊ってこれに一泊すんの?とか思ったりしてたら、余計に急かされた。聞くところによるとこれは、京都に住んでる知り合いのもので返し忘れたから丁度いいと思ってるらしかった。僕は、もう呆れて何も言う気力無し。
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作者名:水神 竜聖 | 作成日時:2017年7月4日 21時