物の怪憑き その漆(終) ページ14
その後、あの住職の方に電話してみると息子は大方大丈夫になったと言っていたらしいが、また別の動物霊が居るらしくそれは此方で何とかすると言っていた。僕らは病院の霊安室を抜け外にまで来ると「先に乗ってろ。」と鍵を渡された。気になったが春を連れて先に車に乗り込む。後ろで三人が何か話してたが、あの刑事が此方に来て僕らに話始めた。
祥介「君ら、駅まで送ることになったから。あぁ、心配しなくていい。翡翠は用事が出来たみたいだから、明日合流するしその間観光でもしてみたらいい。」
琥珀「先輩は一体何の用事で?」
祥介「ここから先は大人の時間という訳やな。子供の君らは関わらんでいい。」
と言いながらサイレンを鳴らさずにパトカーを運転し、駅の近くの人があまり通らないところにパトカーを停め、僕らを降ろすと、「じゃあな、元気にやれよ。また、此方来ることあったら顔出せや。あぁ、あとな。翡翠に言っといてくれや。」僕が「何をです?」と言うと真面目くさった顔で「約束の日が近い。せいぜい気を緩めなさんな、ってな。じゃ、そういうことやから。」と言ってそのまま去って行った。僕も春も謎が残った。次の日、先輩が紙袋を引っ提げて戻ってきた。僕らに紙袋を手渡すと「帰るぞ。」と言った。結局、あの日に何をしてたのかは、何も教えてもらってない。それを知る日は、来年になって知ることになる。それを知らないまま、サンダーバードに乗りながら目を瞑った。
2人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水神 竜聖 | 作成日時:2017年7月4日 21時