推しは想像以上に母でした。【黄】

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「A、人間は強くなければ生きていけないの。

やられた分は絶対にやり返しなさい。


そうして誰よりも強く優しい子に育ってね……」





何年か前に言われた言葉だ。

これは母の最後の言葉だった。




私が生まれたのはお姫様が住むようなお屋敷。



周りは沢山の人と愛情であふれて、
私はよくメイドさん達を困らせてたなぁ……



母は昔から病弱だったけれど、愛情をたくさん注いで育ててくれた。


体が弱いのに、夏には海へ連れていってくれて、冬はあったかい布団で一緒に寝てくれた。




「これをしなさい」「あれをしなさい」と押し付けてくるような人じゃない。


いつも私の気持ちを優しく理解してくれていて…


そんな母が、誰よりも大好きだった。




ずっと一緒にいられると思ってた。

いつまでも、いつまでも。





そんな母は…私が中学に上がった途端、突然天国へと旅立った。






『お母さん、、？嘘だよね……

違う、違う違う違う、、こんなの夢だ…』




私は突然母がいなくなったショックで、まともに現実を見られなかった。



部屋に引きこもって一日中ネットを見る毎日。


あの時の私はきっと死んでいたんだ。


何も考えたくなくて、感情なんて捨ててしまいたかった。





そんな時…

…一人の王子様に出会ったんだ。






『………！！』




歌を聴いた時は衝撃だった。


世の中にはこんなにも優しい声の人がいるんだ…って。


心がじんわりと温かくなって…

目から涙がこぼれ落ちた。



ああ、私が求めていた“愛情”ってこういうものだったんだ。






私は彼の声が全てで、彼の声を求めた。


彼の生き方を知り、もっと好きになった。

彼の優しさを感じ、もっともっと好きになった。




それから自立するために一人暮らしを始めて…

自分の趣味を沢山話し合える親友もできた。






彼に出会って、毎日が楽しくなった。

生き甲斐ができた。





だから私は、彼のことが大好きなんだ。







活動者としても………




………ありのままの類さんも。

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