永瀬side ページ18
｢あっ、岸くん来たよ｣
海人が指さす先から、今にも死にそうな顔をした優太が歩いてくる。
少し前のAやん。
まぁAよりはマシやけど。
てかこんなになるって、どこから来たん？
｢なぁ紫耀｣
｢ん？｣
｢どこから走ってきたん｣
｢美術室の下の廊下｣
｢美術室？｣
入学式の日に貰った校内案内図を思い出す。
そこって俺の記憶が正しければやけど...
｢めちゃめちゃここから離れてるやん。
棟なんてこっから正反対やで｣
｢うん｣
だから何と言いたげな紫耀。
確かにあそこからここまで紫耀に合わせて走ったら、そりゃ死ぬわ。
優太なんて途中で離れたからええけど、Aはそれ全部走ったんやろ？
まさにフルマラソン状態やん。
｢頑張ったな｣
なんやそれ聞いたら急に不憫に思えてきたんで、Aの頭を撫でておく。
｢誰か俺の心配してくれよ｣
｢岸くん大丈夫？｣
｢いつからいなくなってたの？｣
ツッコミどころ満載やん。
｢とりあえず帰るで｣
このままにしといたらいつまで経っても帰れないのは手に取るように分かった。
｢荷物持ち｣
床に置きっぱになっとる海人のカバンと、荷物が全部出とる紫耀のカバンを拾って渡す。
しゃあないからAのは持ったる。
｢俺は！？
誰か俺に優しくしてくれねぇの？俺頑張ったよ｣
｢あーはいはい。行くで優太｣
優太のカバンは事前に持っといたから、そのまま手渡す。
｢つめてぇー｣
後ろで文句言っとる優太は無視や、無視。
構ってたら埒あかんもん。
｢はいはい岸くん行くよー｣
｢俺がおんぶしてあげようか？｣
｢いやーそれは遠慮しときます｣
｢いいからいいから｣
｢いやほんとに大丈夫｣
｢あははは｣
元気になるん早いなぁ。
｢いつもと逆だね｣
｢ん？｣
｢いつもは廉が岸くんにベッタリなのに、今日はそれが逆だなって｣
まだ疲れが残っとるんか、ゆっくり話すA。
｢今日はええねん。
今は優太よりも隣におるんが死にそうやからちゃんと見とかんと｣
｢何それ｣
ケラケラ笑っとるし、少しはマシになったな。
でもこれ、家帰ったらすぐ寝るパターンや。
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Sakura(プロフ) - Ren_ymd.さん» Ren_ymd.さん。コメントありがとうございます！はい！！ (2019年9月15日 21時) (
レス) id: 526275f0cc (このIDを非表示/違反報告)
Ren_ymd.(プロフ) - 面白かったです！続きとても楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年8月15日 16時) (レス) id: 5da2d93ad2 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - kingkokoaさん» Kingkokoaさん。コメントありがとうございます！そう言って貰えると凄く嬉しいです（笑） (2019年8月10日 10時) (レス) id: 526275f0cc (このIDを非表示/違反報告)
kingkokoa - 面白かったし見ててキュンキュンしまくりですっ (2019年8月6日 14時) (レス) id: 9edbb6a4b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sakura | 作成日時：2019年8月3日 23時
