弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

五十三松 ページ7

あれから数時間経って、朝のニュース番組が始まる頃には俺の熱もだいぶ下がってきた。カラ松が作ってくれたお粥は意外と美味しかった…そのお陰かもしれない


『とりあえず ドアの修理は業者に頼んだからお前らは気にするな』


カラ「本当にすまなかった」


十四「ごめんなさい」


『もういいから』


そんなに謝られたら なんかこっちが悪いみたいに感じるからやめてほしい…
まあさっき怒鳴った俺も俺だけど……


『俺は今日仕事に行くけど、ドアが直るまで家に居ろよ？直れば帰っていいから』


俺はテーブルにスペアキーを二つ置いて、修理費用を封筒に入れて鍵の近くに置く
スペアキーはまだあと四つある。鍵にはそれぞれキーホルダーがついていて、いつかは全部俺の手元から離れればいいと思ってる


十四「兄さん、この鍵なに？」


『俺ん家の鍵。開けっぱなしで帰られたら困るからな』


カラ「それなら一つでいいんじゃ…」


『……お前らがいつでも来れるようにだ』


俺がそう言えば二人は驚いたようにこっちを見た。まあ、いきなりそんな事言われても困るだけだよな


『それより、部屋にある物は勝手に触るなよ。特に琴。国産で結構いい所で買ったから20万近くしたんだから、絶対に触るな。楽譜くらいなら見てもいいから』


カラ「OKだぜbrother」


十四「分かりましタイムリー！！」


ほんとに分かったのか？心配になるよ……ドアを壊したくらいだし、下手すればぶっ壊される覚悟をしとかないと……


『あ、仕事！俺そろそろ行くから 飯は出前でも取って食っとけ』


荷物を持って玄関で靴を履く。俺以外の靴が玄関にあることが不思議で仕方がない。十四松は何故かスリッパだけど……


十四「にーさん！」


『ん？』


カラ、十四「「いってらっしゃい！！」」


『……いってきます』


誰かに見送ってもらうのは何年振りだろう…思わず固まっちゃったよ
やっぱり誰かが家にいるっていいな…

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