おかえり ページ30
A)…もうっ、1人で突っ走らないでね?
メッ、としののおでこを優しく小突くとしのは「っだってぇ〜…」なんて情けない声を出す。
灰崎)ったく、点入れられねえくせに突っ走んなよな
しの)だってだってぇ…1点でも持ってきたら波来そうだったもん……
ヒロト)ハッ、逆効果じゃねーか
しの)うるせえぇ……
いつもの天真爛漫な姿はすっかり消え去り、妙にへにょへにょになったしのが面白いのか。
先程よりかは穏やかな雰囲気になっていたのだ。
それに気付いたAも安心する。
A)まだ時間はあるんだから、焦らないの
これでもかという程にしのの頭を撫でまくると、本当に嬉しそうに顔を綻ばせAへと抱きつくしの。
A)(…私も人の事言えないな、いつまでも引きずったままじゃなくて切り替えないと)
しのの頭を撫でながら悶々と考え込んでいた…その時。
剛陣)おお、野坂!
A)…えっ?
剛陣の声で一同がそちらへ目を向ける。
そこには確かに、野坂がいたのだ。
しの)野坂?!
野坂の名前を聞き、しのもすぐさま元気になったのか。
あの暗い顔はさっぱり消えていた。
A)野坂くん…!
そんな野坂の元に西蔭が真っ先に駆け寄る。
西蔭)おかえりなさい、野坂さん
灰崎)チッ、面倒な奴が帰ってきやがったぜ
しの)んな事言ってぇ…表情が嬉しそうだぜ?
灰崎)うるせえ
しのの言う通り灰崎の顔は嬉しそうだ。
灰崎)で、体はもういいのか?
灰崎のその質問にAとしのも野坂の元へ駆け寄る。
野坂)心配をかけたみたいだね、試合前の最後の検査がギリギリになってしまって
灰崎)てことは試合に出れるのか?
野坂)あぁ
試合に出られるという野坂にAもほっとした。
監督)間に合ったみたいですね…野坂くんこれを、キャプテンとして円堂君のピンチヒッター、お願いしますよ?
野坂)はい、精一杯やってみます
そう言うと監督が杏奈にキャプテンマークを手渡すると、杏奈は嬉しそうに野坂へとキャプテンマークを渡す。
杏奈)はい
野坂)ありがとう
しの)(いい雰囲気だし杏奈も可愛いな〜!やっぱ美人の恋する顔1番美味しい…)
などとしのが心の中で萌えていると、野坂がこちらへと近付いてくる。
野坂)Aちゃんにも心配かけたね…ただいまAちゃん
A)…うん、おかえりなさい野坂くん
A)(…本当におかえりなさい)
…イナズマジャパンの反撃が始まる。
後半はタツヤと野坂が交代するようだ。
後ろにいる西蔭をチラリと見てみると、先程の憂鬱な表情はどこにも見当たらない晴れやかな表情でいた。
A)(やっぱり野坂くんの力って凄い…)
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
