Wartime Karriere296 ページ48
「あえて苦手なところを担当…ねぇ」
散々なことになった班員を集め、見渡す。誰一人顔をあげない。それどころかジルグは目すら合わさない。どこ吹く風、というのが当てはまる。
「要するに、ジルグの指示も適当で、お前らの態度も適当だった…と？」
「う…」
「いや…ジルグの判断は悪くなかったよ」
「ラウム！？」
全員の視線がラウムに向く。
「だって…実際に戦闘になったら得意分野で動けるとは限らないでしょ？本人がそこまで思ったかはわからないけど…本番、指揮官がお姉ちゃんじゃなくてジルグになったら…僕たちは今の訓練で…死ぬことが証明されたんだ」
「まって！だったら指揮官をリュウやラウムがやればいいわよ！」
「そうねー、私もそう思うなー」
「いや…そうはいかないね」
次に声をあげたのはレイだった。
「現状、一番戦闘慣れしていて、一番冷静に判断が出来るのは…ジルグだけ、だろ？」
レイがため息を吐く。どうやら、レイは折れたようだ。だが、残りの班員は納得がいっていなかった。が。
「もう…黙れ」
Aの一言で黙殺された。一睨みで殺せそうな威圧感に双子は一歩引いた。
「おね……ちゃ…」
「黙れ、と命令したはずだが？」
声を発したリランは喉が閉じたかのように黙る。
「仲間を信じられないなら除団だ。僕が何も考えずにジルグに任せると思うか？」
威圧的な上に冷たい。なぜ、そこまで怒るのか理解できず、誰もなにも言えない。
(ふーん、そんなに怒るんだ)
ジルグは、そんなことを思っていた。自分が原因であるとはわかっていた。ただ、仲間の為だというAの言葉は理解できなかった。
(ふん…お前こそ親の愛だのなんだのは知らんだろうに…なんなんだ、あいつの心にあるのは)
もはや他人事のようにジルグは眺めていた。他人に興味を持つような人間ではないが、なぜか目を離せずにいた。
(…おもしろいやつだ)
自分は昔は今とは違い、期待されていた。若くして優秀な兵士となり、憧れの対象とも言われる父が、いつも誇らしく、そしていつしか重荷になっていた。
(そんなこと、今更思うこともないが。あいつを見ていると変な気分だ)
兵士として国民を守る義務のある父は、寡黙ながらに背中は大きく見えた。そして、その父の眼差しがいつしか自分に向いていないことも気づいた。
「飽きた」
「…あ？」
ジルグ自身、最近は特に飽きを知らず楽しんでいた。
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ミレン(プロフ) - 乱黒桜さん» コメントありがとうございます！貴重なご意見ありがとうございます！今作は厳しいので次回作からあけたいと思います！ぜひ、作品のリクエストもお願いしますね！ (2018年9月22日 23時) (
レス) id: 0471dbbe0d (このIDを非表示/違反報告)
乱黒桜 - 面白いです! 更新頑張ってください あと少し文字を詰めすぎで見にくいのでもう少し間隔を開けてみたらどうでしょうか? 上から目線ですいません!! (2018年9月22日 15時) (レス) id: eadd9ccc7e (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 気軽にコメントお願いします！ (2018年9月3日 23時) (レス) id: 0471dbbe0d (このIDを非表示/違反報告)
クルル - 更新応援してます。頑張ってください。 (2018年5月11日 0時) (レス) id: 262f0ecdd1 (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お待たせしており、すみません。ゆっくり亀更新でいきます！ (2018年5月2日 11時) (レス) id: 70b346d64c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2017年4月29日 22時
