【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ47)

今日:24 hit、昨日:24 hit、合計:79,198 hit

Blutige Vergangenheit40 ページ47

「どうしたんだよ兄貴？」
「お前ら、これを見てみろ」

リヴァイに渡されたノート。二人は、先ほどの文字の山を想像していた。

「…へっ」
「こりゃ…」
「すっげぇ！」
「絵だ！」

ペラペラと二人はめくる。後半のページ全てを見終わったころには、全員で見入っていた。

「うまいな…」

イザベルの小鳥、ファーランの困り顔、リヴァイのナイフ、地上の絵、時には知らない人間の顔も描かれていた。そして、すべてのページにメッセージが書いてある。

「なんて書いてあるんだ？兄貴」

イザベルが、男の人が描かれたページを指さす。

「…――マルクド・アルドマン――歪んだ愛情ゆえに女性を暴行。被害者数は数知れない。だが、生きるための努力は惜しまなかった。日々、憲兵から逃れるストレスに負けた哀れな命。魂を狩る」
「…どういう意味だ？」
「憲兵から追われて精神的にいかれて手を出していた。だが、生きようとする努力には変わりがない。その命をAは狩る…つまりは殺してしまったために、誤ってるんじゃないのか？」
「そうなのか？兄貴」
「…あぁ」

その先出てきた人々すべてのメッセージを読み終わり、部屋には妙な静けさがあった。

「…あたしたちのには、何が書いてあるんだろうな」

イザベルの一言で、ページをさかのぼり、見る。二人で笑ってるのに、新しくイザベルが書き加えられたページを見る。

「――僕の家族――悲しい、孤独、ツライ、すべてを背負う覚悟もないまま、多くの命を奪ってしまった。会いたい。それでも迷惑はかけたくない。たまに聞こえる立体起動の音、噂。すべてが会いたいと叫んでいるように聞こえる。重症だな。それでも、僕は―――ようやく、会えた。もう、失いたくない」
「最後は書き換えられてるな…ってイザベル？」
「Aッ…」

号泣してるイザベル。ノートはどうするか、という話に代わり、Aの自室に戻そう、ということになったのだが、誰が置きに行くかで迷っていた。

「やっぱり…俺かリヴァイだよな」
「あたしはー！？」
「うるさいから無理だろ」
「ムー…」
「俺としてはリヴァイがいいけどな」
「…あ？」
「なんか、Aはリヴァイが一番気を許してる気がするし」
「あ、それあたしも思う！リヴァイの兄貴が一番Aが気を許してる！」
「…俺が言ったけどな」