【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ46)

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Blutige Vergangenheit39 ページ46

「…お前、立体起動はどうしたんだ？」
「足の捻挫。乗れても本気は出せないし、地上で乗ると家にアンカー刺さなきゃなんねぇ。それはダメだろ」
「まったく、お前は」
「ところでリヴァイは？」
「アイツなら奥で掃除してるぞ？入っていきなり『きたねぇ…』っていいやがったしな」
「そうか」
「なぁ、Aっていつの間に仲直りしたんだ？」
「ちょっと前だ」
「俺としては嬉しい気もするけど…な。なんか、取られた気しか…」
「なんだよ？どういう意味だ？」
「…なんでもない」

大きなため息をついたアバロンに、首をかしげてるA。諦めたアバロンは、奥に引っ込んでいった。それについてAも奥に行く。中では怒涛の掃除が中では行われていた。窓、床、壁、机、椅子エトセトラエトセトラ…あらゆるものがきれいになっていた。

「「…すげぇ」」
「あ？」

声に気がついたリヴァイが、顔につけた布を下げてこちらを見る。

「終わった。あとは憲兵のバカさに賭けるよ」
「まったくてめぇは…おいアバロン、日ごろから掃除を怠るんじゃねぇ。きたねぇだろうが」
「お、おう…」
「帰るぞA」
「お、おう…」

全く同じ返事をした二人。リヴァイとAは地下に繋がる階段を降り、アジトに戻る。戸を開けると、イザベルとファーランが結果を聞きに駆け寄ってきた。

「憲兵は追い払った。しばらくは大丈夫だろ」
「しかしきたねぇ…」
「僕がか？」
「てめぇの手口もそうだが…憲兵だ」
「そんなの今に始まったこっちゃねぇよ。さ、僕は寝てくる」
「またか」
「まただ」

平然と自室に戻り、マントを被って眠り始めたAに、全員が苦笑いする。

「アイツは、マイペースが似合うな」
「Aは、あたしよりもずっと頭がいいから、あたしに見えないものまで見てるのかな」
「見えないものを見ている…か。確かにな」
「そういえばAは、どうして地下街に来たんだ？もとは地上にいたんだろ？」
「親が殺されたんだとよ。行く当てがなくここに来たらしい」
「へー…」

珍しく考え込むイザベルの頭をファーランはワシャワシャと撫でる。ふと、立ち上がった時にソレは落ちた。

「…ん？なんだこりゃ？」
「Aの…だよな」
「ノート…か？」

好奇心に負け、ノートを開く。出てきたのは文字の山。

「うげぇ…」
「こりゃすげぇな…」

ファーランとイザベルは諦め、リヴァイのみがページをめくる。ふと、リヴァイの頬が緩む。