【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ42)

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Blutige Vergangenheit35 ページ42

リヴァイ達のアジトに通い始めて数か月、そのころにはAとイザベルは立体起動を乗りこなしていた。そんなある日。

「ミレン！兄貴がなんか怒ってたぞ！」
「何かしたっけ…」
「おいミレン、てめぇ今日こそ許さねぇぞ」
「！？な、なんかしたか？！わりぃ！！！！」

速攻で土下座したAに全員が笑いだす。

「…ぷっ」
「クク…おもしれぇやつ」
「 …ん？」

なぜ笑われているのかわからず、つい睨む。リヴァイが側により、手を貸して立たせる。

「何もしてねぇよ。お前、身寄りがねぇんだろ？来いよ」
「え？でも…」
「兄貴が来いってさ！」
「余計なこと言うんじゃねぇ」
「…っはは！っクク…」

今度はAが笑う。その顔を見たファーランが首をかしげる。

「笑った顔は女みたいだよな、ミレン」
「…女みたいも何も僕は女だファーラン」
「！！！？？？」
「す、すげぇ！！」
「リヴァイ…本当にいいのか？」
「…汚さなければな」
「んじゃ、お邪魔します」

いまだに信じられないというような顔をしたファーラン、イザベル。当然だが、リヴァイは気づいていた。Aは苦笑いしながら、あの日以来お世話になっている部屋の向かった。すると、部屋は綺麗になっており、荷物もすでそろっていた。

「すっげぇ」
「汚すなよ」
「あぁ…」
「おいA」
「んぁ？」

振り向くと、何かが投げられてきた。それはリヴァイが愛用しているナイフのうちの一本。二対のナイフのうちの一本だった。

「…は？」
「くれてやる」
「いや…いいのか？」
「そろそろナイフの切れ味が悪いだろ」
「…まぁ」
「それを使え」
「…ありがとな」

試しに振ってみたりする。今までの物よりも手になじんでいた。ナイフをジッと見ていると、髪に触れられる感触。

「…なんだよ」
「何でこんな切り方なんだ？」
「そりゃ…適当に伸びたらバサッて…」
「こっちに来い」
「は？」

外に連れて行かれ、突然水をかける。

「なにすんだよ！」
「うるせぇガキだな」
「ガキじゃねぇ！」
「ガキでよかった、と言ったのは嘘か？」
「…」

濡れた髪を手でほぐされ、シャキシャキと子気味いい音で切られていった。

「リヴァイって、悪人面で潔癖症なのに」
「喧嘩を売っているなら買うが？」
「ちげぇよ。なのに、手つきは優しいよな」
「バカいえ、俺は結構優しい」
「そりゃ初耳だ」