【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ40)

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Blutige Vergangenheit33 ページ40

服を着たAは、どうすればいいか考えていた。

(…声をかける？かけられるのを待つ？…どうすりゃいい)

結局何も言わずにそばにあった椅子に腰かける。乱れた袖を治そうとした時、初めて包帯がないことに気がつく。

(…クソいてぇじゃねぇか)

悪態付きながらあたりをキョロキョロ見回す。ふと、後ろを向いた時、リヴァイと目があった。

「…びっくりしたじゃねぇか」
「なにしてんだ」
「包帯探し」

椅子から立ち上がり、家の中を物色するが、さすがに包帯は見つからない。それどころか代用できそうな服すらなかった。

「はぁ…」
「チッ…」

ため息ついて椅子に腰かけた時、頭上から舌打ちが降ってきた。なんだよ、という意味を込めて上を睨むとAは驚いた。

「お、おい…何やって…」
「あ？」

目の前には、いい体つきの腹筋バッキバキのリヴァイが経っていた。思わず目をそらすと、ビリビリ、という音が響いた。恐る恐る目を向けると服を補足帯状にナイフで裂いていた。

「おい…そんなことしたら」
「お前の傷のが重要だ」

裂いた布を腕に巻き付ける。丁寧にまいたら、軽く結ぶ。

「きつくねぇか」
「医者だった僕よりも上手いかもな」
「俺は器用だ」
「意外だな。…服はどうする」
「さぁな」

椅子にドカッと座り、外を見つめる。すぐに体が冷えたのか、くしゃみをした。

「…かっこづけるからだ」
「てめぇのせいだろ…」

そっぽ向いて目をそらすと、背中にぬくもりを感じる。Aの羽織っていた上着がかかっていた。

「…迷惑かけた」
「はっ、わかってんじゃねぇか」
「そうだな」
「…っくしゅい」
「まだ寒いのか？」
「もういい…これ以上は何もねぇだろ」

上着に腕を通して暖をとる。すると、今度は服よりもさらに暖かいぬくもりが背中に伝わる。Aがリヴァイを抱きしめていた。一瞬驚いたが、すぐに普段の顔に戻る。

「…体冷えてる」
「…あぁ」
「…僕は普通だけどな」
「てめぇはガキだからな」
「なら、ガキでよかった」

言った自分に驚きながらも、訂正せずに続ける。

「なぁ…リヴァイ。たまに、会いに行ってもいいか？」
「あぁ」
「迷惑じゃないか？」
「あぁ」
「…ありがとう」

Aの腕の力が強くなる。体温は高くても、震えていた。

「…泣いてんのか」
「さぁな…」
「怖いのか」
「安心してる」
「そうか…悪くねぇ」