【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ39)

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Blutige Vergangenheit32 ページ39

「そんなに珍しいか？地下では生きていくのが精いっぱいなのに、自ら自分を痛めつける何て…バカらしいかよ」
「あぁ、そうだな」
「人間を殺すことに躊躇うことはない。…だけど後悔しないわけでもない。彼らの痛みの一部だけでも味わおうとして自己満足でいる僕に…いったい、誰が手を差し伸べようなんて思う」

自虐的なことしか言わないAにファーランの顔がゆがむ。

「もういいだろ。ほっといてくれよ…」

リヴァイの腕を振りほどいて仮面も奪う。あっけなく渡したリヴァイに、ファーランは驚いた。

「いいのか？リヴァ―――」
「おいクソガキ、ちょっとついて来い」
「は？あ、おい！」

ファーランに目で、ついてくるなと合図し、Aの手を握り、連れて行く。連れて行ったのは、誰もいない空き家。家主は死んだか出ていったかでいなかった。

「なにすんだよ！放せおい！」
「黙れクソガキ。一人で生きていくならそれなりの覚悟をしろ」
「は？っ！？」

上着を無理やり脱がされ、驚いてる間に靴も脱がされる。何をしようとしてるのか理解した時には、リヴァイが上に乗っていた。

「なっ…やめろ…おい！」
「ここじゃ普通だろ？嫌なら俺を殺してでも逃げろ」
「できないよ！放して！いやだ！」
「はっ、なら黙ってろ」

暴れまわるAの腕を固定し、口を口でふさぐ。その瞬間、ピタリとAは抵抗を止めた。手がAに伸びた時、諦めたように目をつむった。

「…おい」

突然呼ばれ、薄らと目を開ける。

「なぜ抵抗を止めた」
「おんなの、力の差を考えれば、やるだけ無駄だろ」
「いいや、少なくともお前なら突き飛ばせたはずだ。本当の理由を言え」

リヴァイに見つめられ、Aは目をそらす。それを許さないというように手で顔を戻す。

「抵抗を止めたんじゃない…できなくなった」
「は？」
「恐怖、トラウマ…理由は単純。僕が父さんに受けた暴力のせい。お前にとっては都合がいいだろ。地下じゃ普通のこと、なんだろ？」
「あぁ、そうだ」

リヴァイは言葉とは裏腹にAからどいた。散らばった服を渡し、背を向ける。

「何してるんだよ」
「襲うつもりなんざねぇ。勝手にしろ」
「なぜ後ろを向く？」
「さぁな」

その間にAは着替えを済ませた。