【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ36)

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Blutige Vergangenheit29 ページ36

結局仮面を取り返せないまま一日が過ぎる。その次の日、依頼をこなそうと出かけると、リヴァイたちが徘徊していた。そして、一般人に紛れた仲間も。リヴァイの手には仮面。

「チッ…しつけぇ」

Aは髪留めと帽子、それに普通の私服で出かける。パッと見、Aと気づける人間は少ないだろう。そのまま一般人を装ってリヴァイの横を通り過ぎながら仮面を抜き取り、ダッシュで走る。が、なぜか仮面がついてこなかった。よくみると、仮面にはひもがひっかけてあり、その先にはリヴァイがいた。

「チッ」

何度目かの舌打ちをして一旦仮面を諦めて逃げる。大勢の人間がAを追い掛け回し、そしてファーランとリヴァイは立体起動で追いかけてきた。

「あぁクッソ！しつけぇんだよ！」

Aは大声で怒鳴り、あたりを見回す。近くに隠れられそうな場所はなく、そのまま進むと行き止まりになってしまう。仕方なく立ち止ると、全員がAを取り囲んだ。

「はっ、やっと諦めたか」
「どうだか」

上に飛び上り、周りの男たちの首に衝撃を与えて気絶させていく。あっという間に逃げ道が出来上がり、Aは走り抜けた。走りっぱなしで息が切れ、足がもたつく。一方の立体起動組もガスの残量が少なくなっていた。

((すべては、ここで決まる))

ラストスパートとばかりにお互い動きを早くする。できるだけ平地を選び、それでもだめなら立体起動で飛びにくい場所を選んだ。

「っハァ…ハァ…ック」
《プシューッ》

Aが倒れ込むのと、リヴァイのガスが切れるのは同時だった。リヴァイは、そのまま着地し、ファーランがAに駆け寄る。Aは最後の力でナイフでファーランを拒み、逃げようとする。だが、体力の尽きたファーランに勝てず、すぐに取り押さえられる。今度は鎖でつながれた。

「まったく…俺達立体起動なのに、こんなにてこずるとはな」
「いっそ…諦めてくれりゃ…楽なのにな…」
「そういうわけにもいかなくてね」
「なんで僕にこだわる…意味が分かんねぇ…お前らの実力で…犯罪者を招いて…」
「あいにく俺らも犯罪者だがな」
「そうかよ…」

観念したように、Aの力が抜けた。