【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ34)

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Blutige Vergangenheit27 ページ34

「まず、そいつらはふらりで…一人は軽い感じの男で、もう一人は…潔癖症！」
「…なに？」
「んで、包帯巻くのは上手いんだけど…あ、そういえば名前は、ファーランと」
「…リヴァイ」
「え？あんた知ってたのか！」
「僕には会わなかったことにしろ。もう襲われるなよ」
「あ、ちょっと！」

Aが去ろうとすると、また腕を掴まれる。

「いくら大人じゃなくても怒るぞ」
「あんたの名前は？」
「暗殺者が本名晒すかよ」
「頼むよ！あたしはイザベル！イザベル・マグノリア！」
「…A」
「ファミリーネームは？」
「…ティアベル」
「いい名前だな」
「もういいか？」
「おう！じゃないな！ありがとよ！A！」
「…声がでけぇ」

腕をぶんぶん振り回しながらイザベルが去って行くのを、なぜかAは見送った。イザベルの姿が見えなくなってからAは歩き出した。

(…あの子がばらすのも時間の問題か。仕方ない。移動するか)

あてもなくフラフラとさまよっていると、突然後方に気配を感じた。

(人数は二人。どちらも足音からして男…一人は小柄でデブ。もう一人は普通か。一体、何の用だ)

Aは細道に入り、驚異的な運動神経で壁と壁に手と足を固定した。二人組が入ってきた瞬間、ナイフを構え、首を狙う。

《カンッ！》
「…っ！」

完全に動きを読まれていた。一人は飛びのき、一人は首に来ると読んでナイフで防いできた。Aは力量差があると判断し、壁を一気に登って逃げた。二人組の男は追ってこず、Aは建物の上を、すぐに早歩きでその場を去った。ふぁが、その先に先ほどの男たちがいた。

(なんで…壁を登らずにどうやって…クソ…考えろ…)

ナイフを構え、どちらにも動けるような体制をとりながら後ろへ引く。そのまま反対側の建物に飛び移る。そのとき、Aは目を疑った

(立体起動…なんで…なんで…クソ、もうわかってるだろ！！)

Aは自問自答の末、くるりと方向転換した。それに合わせて二人組も方向転換する。Aは建物の中に入り、身を隠す。入ってきた瞬間、Aは煙を起こした。材料は、帰ったら作ろうと思っていたパンの粉。ナイフを扉に刺しておき、それに向かって粉を投げつけた。その隙にAは音を立てずに反対側の扉から逃げる。だが、甘かった。

「うっ…」

扉から出た瞬間、誰かに腹を殴られる。うっすらと目を開けると、あきれた顔で見ている人物と目があった。