【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ29)

今日:22 hit、昨日:24 hit、合計:79,196 hit

Blutige Vergangenheit22 ページ29

「アバロン…僕、もう一回ファーランたちのとこ行ってくる！」
「お、おい…ちょっとまて」
「なんだよ」
「まさか、その格好で行くのか？」
「は？…あ」

自分の格好を見ると、思い切り寝巻だった。

「着替えてくる…」
「おーう」
「てかアバロン！てめぇ人の身体見たんじゃねぇだろうな！」
「興味なんかねぇよ…ついでにシャツはそのままだ。だから見てねぇ」
「おー、お、おう」
「…早く行け」

バタバタと着替えて急ぎ足でアジトに向かった。アジトに駆け込み、思い切りノックした。

「お、おい…扉が壊れるだろ？ったく…ん？お前、どうしたんだよ」

扉を開けたのはファーランだった。

「リヴァイは…生きてる！？」
「あ、あぁ…」
「息してるか！？首とか…」
「おい、落ち着け。多少怪我はしてるが普通だ」
「やっぱり…あぁ」

その場に座り込んだAにファーランは水を差し出した。だがAは首を振ってことわった。

「水ぐらい飲めばいいのにさ」
「…いい」
「そんな気にすることじゃないぜ？リヴァイならお前ぐらいならどけれただろうに」
「じゃあなんでどけなかったんだよ！？」
「あ、いや…」
「やっぱいい、帰る」
「あ、おい！」

いきなり出ていこうとしたAをファーランは止めようとした。だが、間に合わずに扉を開けていた。

《ドンっ》

そのとき、痛々しい音が響いた。目を向けると、Aが頭を押さえて座り込んでいた。扉の前にはリヴァイ。

「おい…これはどういう状況だ？」
「あ、いや…失礼しました！」

すぐに起き上がって出ていこうとする。だが、体が動かない。

「待てクソガキ」
「ガキじゃねぇよ！」
「あ？」
「放せよ！」
「おい、何を慌てている」
「別に慌ててねぇよ…」
「てめぇがもし、俺を傷つけたことを悔やんでいるなら自惚れるな。俺はてめぇなんざに負けねぇ」
「じゃあなんで！」
「別にお前がはずさなくても俺は死なねぇ」

リヴァイの言った言葉にAは顔を上げた。

「なら…首なんかに傷つけてまで…なんで…」
「いいかクソガキ。人間は恨みだけで人を殺したらただの暴力と同じだ。お前が俺にキズを作ったことで、何を思ったか忘れるな」
「…どういう意味だよ」