【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ27)

今日:9 hit、昨日:24 hit、合計:79,183 hit

Blutige Vergangenheit20 ページ27

「まぁ、地下街はそんなもんだろ？」
「まぁね。…力がある人間が弱い奴を苦しめる世界は…もうたくさんだ」

Aの顔が凶器に満ちた時、リヴァイはガタッと立ち上がった。

「おい、ついてこい」
「…は？」
「いいからこい」

リヴァイに呼ばれ、外に出る。するとリヴァイからナイフをいきなり渡された。

「俺を殺しに来い」
「は？なんで…」
「ナイフの使い方を教えてやる」
「いや、別に…」
「いいから来い」
「…わかった」

しぶしぶナイフを構え、リヴァイに立ち向かう。リヴァイも同じナイフを手にしていた。Aは思い切り突っ込んでいき、リヴァイにカウンターされた瞬間、後ろ引いて降りぬいた。

「す、すげぇ…」
「あ、あたんない…」
「ナイフのフリがあめぇんだ。俺から行くぞ」

リヴァイは素早く、力強く振りぬいた。避けるのに必死で攻撃をする余裕などなかった。

「は、はやい」
「そんなもんか？それじゃすぐに死ぬぞ」
「うるせぇ！」

Aの動きが変わった。音も気配もなくなった。そして、ナイフの振り方に迷いが一切なくなり、完全にリヴァイを殺しに行っていた。

「お、おい…そんな本気になってやらなくても…」

ファーランが止めに入ろうとすると、Aが睨みつけた。獲物をとられそうになった時の獣の目だった。

「はっ、やりゃできるじゃねぇか」
「クソ…」

一向に当たらない攻撃にAの顔から疲れが見え始めた。それを見計らってリヴァイがAの腹を蹴り上げた。

「っぐ…がはっ！」
「そこまでだ」
「うっ…」

あまりの痛みに腹を抑えてうずくまった。吐き気さえある。

「おいおいリヴァイ…」
「おいガキ」
「…っ」

明らかに敵対心むき出しのAにリヴァイの目つきが変わった。

「俺はてめぇみたいな目をしたやつは嫌いじゃねぇ。ときここで俺がナイフの使い方を教えてやる」
「…っ」

リヴァイの上から目線に、Aはナイフを掴んで殺しにかかった。今のAに理性はなかった。突然の攻撃にリヴァイもよけきれず、押し倒された。

「リヴァイ！」
「来るなファーラン！」

ナイフを掴んで殺そうとするAに、リヴァイはまっすぐ視線を向けた。

「はっ、悪くねぇ」